日本経済新聞出版<br> 経済史から考える 発展と停滞の論理

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日本経済新聞出版
経済史から考える 発展と停滞の論理

  • 著者名:岡崎哲二【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 日経BP(2018/05発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532357573

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内容説明

■経済学の理論と第一次史料の分析をもとに、日本の経済発展の論理を一貫して研究、経済史研究のフロンティアを切り開いてきた著者による「歴史からみた日本経済論」。

■メッセージは明快、刺激的で、歴史をベースに現在、未来を見通す格好の視点を提供する:
マクロ政策については、アベノミクスの柱の一つ、「高橋財政」をモデルとするリフレ政策、異次元緩和の誤りを指摘。異次元緩和に固執するのではなく、経済成長の趨勢を引き上げるための施策に政策の重点を移すべきだ、将来のインフレリスクに備えることこそ肝心だ、と主張します。

■戦前戦後を通じての日本経済の成長の源泉は1980年代には枯渇していた。それが今日の長期停滞の背景だ、と喝破。成長率を再び高めるには、イノベーションを醸成する政策、新たなビジネスモデル、新規参入の活性化が必要だ。こうした成長政策の舵取りと実行力は、戦前の産業構造の変化や、戦後の「所得倍増計画」に学ぶことができると説きます。人材育成、イノベーション醸成の点で、現在の高等教育の貧困、大学の置かれた惨状についてもきびしく批判します。

■東芝問題に象徴される企業ガバナンスについても、戦前の社外取締役の努力と奮闘、財閥の機能に学ぶことが多いと説きます。また、憲法改正の動きに関連して取り上げる戦前の秘密保護法、国家総動員法の帰結についての記述も、論争的であり、刺激的な内容になっていいます。

■全編にわたり、日本経済めぐるエピソードを通じて、現在の政策や制度、組織のあり方などについての豊富な示唆が繰り出されます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

99
久しぶりに読みごたえのある経済書を読んだ気がします。新年から辛口のことをいって申し訳ないのですが、最近の経済書を見るにつけ、安倍政権の太鼓持ちで猟官運動をしているような本を見るにつけ不愉快さが募っていたのですが、この本を読んで目を開かせてもらったような感じです。並みの経済学者よりも経済史を研究された方の方がはるかに勉強していると感じます。高橋亀吉や石橋湛山の精神を再度勉強してもらいたい気がします。この中でも第8章の「立憲主義の重み」だけでも読んでもらいたい気がします。2018/01/01

masabi

14
【要旨】現代日本の諸問題を歴史的視野から検討する。【感想】1月から良い本を読んだ。30年代の高橋財政と異次元緩和を比較し不況対策以上の効果はないとするなど経済史の知見を現代の問題に応用する。最近の課題でも歴史を振り替えると類似の事例が見つかるしそこから解決の糸口を探るという学問の王道の感じだ。経済から政治、立件主義まで広く話題は多い。戦前戦後と有能な政治家がいたんだなとつくづく思った。 2018/01/17

ペンギン伊予守

4
歴史的視野から現代を撃つというお手本のようで、今年の経済書のベストになりそうな予感。2017/11/23

A.Sakurai

2
日本の経済史を専門とする経済学者の論集。一貫して過去の歴史から現在の経済政策を見る形になる。メインは冒頭の書き下ろし、高橋是清の財政政策と比較したアベノミクスの評価だ。狙いは同じで手法も同じなのに効果がまるきり違うのは何故か?結論は単純で、高橋財政は長期的な経済成長時の一時的な停滞時に行われ、アベノミクスは逆に長期的な経済停滞傾向の中で行われたから。長期傾向を踏まえた政策はまた違ったものになるはずだと。2019/04/04

templecity

1
戦前の経済と現代のそれと比較しながらの考察。過去に自民党の派閥争いの弊害が言われたことがあるが、良い意味での党内での議論があったという意味でナベツネは肯定している。日本がシリコンバレーの様に発展するには失敗を容認することでの新陳代謝が必要。オープンイノベーション。企業の入れ替わり率が日本が5%に対して、米国は20%。2018/05/24

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