集英社インターナショナル<br> 咲き定まりて 市川雷蔵を旅する

個数:1
紙書籍版価格
¥2,640
  • 電子書籍
  • Reader

集英社インターナショナル
咲き定まりて 市川雷蔵を旅する

  • 著者名:清野恵里子【著】
  • 価格 ¥2,376(本体¥2,160)
  • 集英社(2018/05発売)
  • ポイント 21pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797673487

ファイル: /

内容説明

かつて、これほどまでに魅力的な男優がいただろうか! あなたは、市川雷蔵を知っていますか? 日本映画の黄金期に、150本以上の映画作品に出演し燦然と輝く足跡を残した俳優、市川雷蔵。それはたとえば『眠狂四郎』『炎上』『忍びの者』『陸軍中野学校』……。37歳で惜しまれながら早世した美貌の俳優は今尚、多くの人の心を捉えて離さない。この本は、文筆家である清野恵里子が市川雷蔵の主演映画、島崎藤村原作の『破戒』を観てよりその魅力にとりつかれ、雷蔵その人の魅力と雷蔵映画を丹念に読み解いたまったく新しい雷蔵論である。きものに造詣が深い著者の審美眼が捉えた雷蔵の衣裳やメイクの話も実に興味深く、思わず引き込まれてしまうおもしろさ。読んだあとは必ず映画が観たくなることうけあいだ。また、映画から特別にキャプチャーした雷蔵の写真は130枚に及び、その掲載写真を見るだけでも楽しめる。従来からのファンは元より、若い世代にも知って欲しい昭和の星の一人である。

目次

序章
一九五四―一九五九(新・平家物語 溝口健二が雷蔵に見た、無形のきはく
いろは囃子 平太郎の流転
柳生連也斎 秘伝月影抄 勝新と雷蔵、相まみえる
浅太郎鴉 雷蔵の身体
大阪物語 短躯の鴈治郎の、達者
源氏物語 浮舟
長谷川一夫の心中やいかに
炎上 市川崑監督にモノ申す
薄桜記 隻腕の剣客、丹下典膳の悲劇性)
一九六〇―一九六二(ぼんち 原作者 山崎豊子の嘆き
歌行燈 伊勢路、恩愛の物語
切られ与三郎 市川雷蔵の「にん」
大菩薩峠 「悪縁」とはかくなるものか
濡れ髪牡丹 清見潟のおもん、瓢太郎に惚れる
好色一代男 フェミニスト世之介、諸国を行脚する
沓掛時次郎 「男の純情」に泣く
女と三悪人 一瞬にして恋に落ちる
破戒 「隠せ」と父は教えた
斬る 一椀を介して対座する
殺陣師段平 ほんま、大きな赤ん坊や
忍びの者 続忍びの者 秩序の埒の外、したたかに生きる)
一九六三―一九六九(眠狂四郎 狂四郎の姿絵
剣 強く美しい死
若親分 楷書の無頼
陸軍中野学校 冷たい狂気
大殺陣 雄呂血 堕ちた末の
ある殺し屋 あの時代
華岡青洲の妻 雷蔵の自在
ひとり狼 絶望と落胆を目撃する)
終章
市川雷蔵略歴
市川雷蔵フィルモグラフィ
参考文献
エンドロールにかえて