内容説明
2011年デビュー10周年を迎えた著者の、創作の原点がわかる、第一エッセイ集。じたばたと考え、小説を書き、小説を読み、記憶をさぐり、そして日常を送る……。世界のなにに注目し、それをどう描いていくのか。新鮮な驚きと独特のこだわりに満ちた、長嶋有ワールドは、どんなに短いエッセイでも健在。文庫化にあたり、書き下ろしエッセイを追加。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
50
再読本にもかかわらず、冒頭の『ポンポン板井』に再び心掴まれる。ポンポン板井……なんという名前か、と思うけれど、その名前のふざけた感じがすでに師弟の関係性を表しているのですね。一家に一人、弟子を置く時代になったらおもしろそうだな……。明治大正時代の家に書生さんがいたように。他にも『片思ってしまう』のような妄想系でクスッときたと思っていたら、目の付け所がスゴイ!と唸る書評もあり、いいな、長嶋有。ブルボンも好きだけど。2017/08/30
佐島楓
26
長嶋さんのエッセイは初めて読ませていただく。面白かった。着眼点がユニークで、「どうでもいいでしょそんなこと」が「おお、そういう観点が・・・。面白いのう」に180度転換してしまう。小説はもちろん、エッセイも楽しみになった作家さんがまたひとり増えた。2014/04/08
れんこ
15
パタリロ!ってすごい話だったんだなぁ。いろんな気持ちが本当の気持ち、そうだなぁ。2018/08/13
チェアー
10
これ、という気持ちに固定されたくない。桜を見て「きれい」と言いたくなるのをこらえて、本当にそう思ってるか自分の心をのぞきたい。口に出した瞬間、気持ちは自分から離れてしまうから。2020/03/26
ありんこ
8
長嶋さんの考え方がとても可愛らしいというか、なんというか魅力的で、こういう人と話していたら楽しいだろうなあ。と思います。クスクス笑うことができる良い本です。弟子の話が良かったので、パラレルも読みたいです。長嶋さん、宣伝上手。タイトルの付け方好きです。2019/10/31