池田晶子の言葉 小林秀雄からのバトン

著者名：稲瀬吉雄【著】

コスモス・ライブラリー（2018/05発売）

• ISBN：9784434202254

内容説明

考えている現場には、常に「生きているということが一体どういうことかわからない」という疑問が渦巻いている。ここからすべては発しているともいえる池田の言葉は、いかなる時も、「生きること」の本質について考えるヒントを読者に提供してくれているに違いない。その意味で、池田の言葉は、人生の途上にあるすべての人々が、自分の生と向き合う鏡の役割をしてくれるのではあるまいか。そ してまた、池田の言葉は変幻自在な表現を携えつつ、真の哲学者のみがもたらしてくれる精神の自由 への気づきに通じる力を持っていると私は思う。
（本書「池田晶子の言葉」より）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Gotoran]

大学在学中にｸﾘｼｭﾅﾑﾙﾃｨの教育観に心酔して教職の道に進んだと云う稲瀬吉雄氏。対話や考えることを大切にしてきた校長先生の著者が池田晶子の著書を読込み、２５ﾃｰﾏに沿って選んだ『池田晶子の言葉』。著者の幅広い見識からの丁寧な記述が垣間見られる。情報が氾濫し考えることなく気軽に多くのものが手に入る意なの世の中で、自分を見つめ、自分の力で考えることが如何に大切であるかに気付かせてくれ、“考えることの大切さと楽しさ”と前向きに人生を生きていこうという強い思いを抱かせてくれる。一読の価値がある良書。

2018/03/11

[とよぽん]

自分の頭で考えること、個と社会、戦争と平和、言葉について、想像力の大切さ、孤独について、宇宙について・・・。著者である稲瀬吉雄さんが、長年の研究をもとに、哲学者池田晶子さんの偉大さを多角的に述べている。池田晶子さんの鋭くも慈愛に満ちた、人間存在へのまなざしは、今とこれからを生きる私たちに力強くエールを送ってくれる。

2015/05/23

[新山下]

思考によって思考を思考する。思考と存在から言葉。よくぞここまで考えられるな、と感心する。池田晶子は1000年後の読者を意識して書くらしいので古典になるのでしょう。

2016/08/13

[史]

平成に出（て現代語で書かれ）た本の解説物を読むたびに思うのですが、やっぱり原書を読んだ方が早いよなあって。まあ悪くはない解説ではあったが……

2020/02/10