内容説明
「戦後◯◯年」ばかりが言われる今日、
果たして私たちは「戦前」をしっかりわかっているのだろうか?
天皇と宮中、元老、貴衆両院、そして軍部。
さまざまなアクターが織りなす「戦前史」を、
明治・大正・昭和、3代の天皇を軸に御厨貴が描きだす!
司馬遼太郎や大佛次郎、松本清張らを通じて、
いかに歴史を物語るべきかをも論じる名講義。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
6
御厨先生の著作は見つけ次第だいたい読んで来たと思うけど、個人的には一番楽しめた本だった気がする。この叢書シリーズ、面白そうな本が多くて他にもいろいろと読んでみたい。戦前史と銘打ちつつ、どう考えても戦後の話もしているのはおしゃべりな御厨先生らしいところ?2017/04/26
らっそ
4
薄く既読感があったけど、再読だった2020/06/08
バルジ
3
「戦前史」という明治から昭和戦前期、ひいては占領期以降まで射程伸ばした御厨講談政治史学のアンソロジー。口語体でソフトな文体なのでつい軽めの内容かと思ってしまうが、内実は独特の切り口から日本近代を捉える。「建国の父祖共同体」と「感泣の臣下共同体」という視覚は文書史料だけでは捉えがたい、明治天皇と維新の元勲達との心理的紐帯を見事に表す。また、原敬と後藤新平という同時代に活躍した岩手出身の政治家を対比させ後者をプロジェクト型政治家とし長州閥の「パトロン」が存在したからこその政治家だったと述べる。2020/03/16
suzuki
2
放送大学の講座を本にまとめたもの。 戦前の明治天皇と元老、昭和天皇と宮中官僚、政治家との関係について、当時のジャーナリストによる資料をもとに考察。 勢い余ってか、タイトルのテーマから外れた終戦後の戦後社会の変容についても語られる。 最近の学生には、著者が伝えたい当時の空気感を伝えることが難しくなったと嘆いているが、本書からはその当時の空気感が伝わってくる気がして、当時のことをもっと知りたくなった。2019/10/19
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