内容説明
競争に負けた貧困は、
自助努力や自己責任の問題といわれた。
果たして、貧困とはそんな軽い問題なのか。
現在、日本は貧困率先進国第2位。
毎年3万人の自殺者。
そんな現実を前に不安を消すことはむずかしい。
すべての人々が差別されることなく
「人間らしく生きる」ためには、
貧困や人間という存在をどう見る必要があるのか。
貧困とその対策としての公的扶助の発展を歴史的に考察し、
格差社会からの出口を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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5
自立とは一般的に経済的に独り立ちする状態をいう。しかしながら、現代の生活は幅広い社会保障で支えられていることからしても、自助努力のみならず社会的扶助に支えられていることは明確である。だとするならば、自立とは、全ての人が持つ、人間の基本的欲求を満たすことではないのか。社会福祉事業法における自立の概念が経済的・社会的・身辺自立であるように、幅広いものとして捉え、その実現のための援助が自立助長とすべきではないか。とても新鮮な意見でした。2013/05/14
井上岳一
1
生活保護のことを知る上で良い入門書。生活保護は憲法25条の規定を守るためのものであるという観点から書かれている。生活保護というものを日本人がどう見てきたかがよくわかる。2012/07/15
jupiter68
0
憲法25条に基づく生存権は理解するが、どうしても生活保護対策は不正受給の疑いがはれない。どうしたらいいのだろうか。 何が正しい考え方なのか。まだまだ悩みは続く。2011/08/26