近代日本の構造 同盟と格差

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近代日本の構造 同盟と格差

  • 著者名:坂野潤治【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 講談社(2018/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065117293

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内容説明

日英同盟か日中親善か、格差是正か地租減税か。日本近代史の碩学が「同盟」と「格差」に焦点をあて、外交と内政の歩みを描く決定版!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

30
昭和もデモクラシーの時代であり、そのあり方の中にファッショ化の危うさがあったことを指摘してきた著者が、日清戦争から日中戦争の外交を日英同盟vs日中親善、内政を民力休養vs格差是正の対立軸で、現代を視野に入れて整理する。外交については「相手」のあるもので、今も昔もその相手に対する洞察力の欠如が問題な気がする。一方内政について、従来の富国強兵=軍国主義vs民力休養ではなく、制限選挙の下の民党が社会上層部の党で、底辺を殆ど省みていないのは当然としても、妙に現代に通じる面が多いところに現代政治の本質があるのでは。2018/08/06

紫の煙

5
最近歴史に関連する読書は、昭和20年までの近代ものが多い気がする。明治維新以降は、富国強兵の掛け声のもと、世界の帝国主義の流れに乗って、大陸、南洋に進出していったという教科書的知識しか無い。その時代にも外交は同盟の問題、内政は格差是正を求める社会民主主義的な政党が存在した。何より、これが自分の祖父母の時代であった事は、子供達に伝えたい。2018/08/29

バルジ

3
近代日本の外交・内政を大きな見取り図として概論的にまとめた一冊。相変わらず「自由党右派」や民政党を「リベラル」など定義があやふやなまま論を進める著者のクセが全開だが、概論的には面白い。しかし特に内政を論じた部は、結局民力休養なのか、格差是正なのかという軸が無くなり、後者のみ重点的に論じられているのは、ややバランスを失している。現代政治と共通する課題も多いが、そもそも社会政策と外交政策という国家の存立に不可欠な要素なので、共通性も何も当然だろうと感じてしまう。2019/07/06

どみとる

3
明治維新後の日本が抱える政治・経済的対立状況を、外政では「日英同盟」vs「日中親善」、内政では「民力休養」vs「格差是正」という切り口で検討した本。どちらも戦前までの問題ではなく現在にも共通な対立項だという(もちろん日英同盟は日米同盟へ置換する必要がある)。後者について、選挙権を持つ地主の地租軽減要求を飲むと、小作農も負担する「戸数割」等で財源を賄う必要があり結果として格差が拡大するという解説が為になった。全体的に新書の域を越えたハイレベルな内容のため、基本的な知識を備えた上で再読が必要と感じた。2018/11/26

しゅーゆ

2
近代の日本について、戦争など外政だけでなく内政にもかなりのボリュームが割かれていて学ぶことが多かった。 これまで戦前の政党政治についてあまり知識がなかったが、政友会が富裕層を地盤にしていて庶民の生活を顧みなかったという指摘は意外だった。特に原敬は平民宰相というイメージだったが2019/01/05

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