内容説明
変わりゆく日本のこと、言葉、友だち、恋愛観、暮らしのあれこれ……子どもの本の世界に生きた著者が、ひとりの生活者として、本当に豊かな生活とは何かを問いかけてくる。単行本を再編集、新規五篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
41
表紙とタイトルに惹かれて。言葉の選び方がなんとも円やかで心地よい。長く長く、文学と向き合った方の素敵な随筆。綺麗な言葉に触れることができて嬉しいです。2018/06/20
あ げ こ
16
石井桃子の文章は何と言うか、完璧である。その的確さ、過不足のなさ。何一つ欠けることなく、すべてが充分の状態であると感じる。まずわからないと言うことがない。いつも目の前の言葉を使う。身遠く、見慣れぬ言葉ではなく、身近な、自らが暮し、生活している今の内にある言葉だけを。〈朝にできて、夕に消える、まだ内容もきまっていないことばも多いけれど、そうでなく、長く使われて-私たちの生命よりも長く使われながら、聞く者、読む者に何を考えたらいいか、迷わせることばがある。〉…自らの手元や周囲にある言葉に関心を抱き続けること。2021/12/17
Ribes triste
13
これまで読んできた児童文学と違い、エッセイでは素の石井桃子さんに出会えた気がしました。研ぎ澄まされた感性と、心の根っこの部分はどっしりと揺るがない世界観があり、すっくと立った大きな木のようでした。2019/08/14
あ げ こ
13
まことに豪華な交流の数々。一つ一つが途方もなく貴重なものであるように思えてならないエピソードの数々。けれど納得する。集まる所に集まるのだと。然るべきそれら。高次の相応であるそれら。煌めいている。輝いている。どこを見ても大切なものしかない。ちゃんと聞きたいお話しかない。全部が聞き所。井伏鱒二の「太宰君、あなたがすきでしたね。」からはじまる一連のやりとりなど特に、一生忘れないと思う。簡単に片付けてしまいたくない。簡単に断じてしまいたくない。石井桃子の言葉をそのまま、その掴みがたさ、複雑さごと覚え続けていたい。2018/04/02
椿 釦
7
本当に石井桃子さんが好きだ。今の時代ではない、というだけで言っていることの強さと揺るがなさたるや。昔の価値観だ。古臭いこと言っているな、という要素がまるでない。今の自分の先生だ。タイトルの「みがけば光る」とは自分のことではなくて、若者の流行り言葉や乱れていると言われる言葉のこと。「これから先、日本人がしんぼうづよくこれにみがきをかければ、いい返事になるかもしれないではないか。」という柔軟さ。今で言う、~させていだだく、に目くじら立てるよりこんなこと言えるようになりたい。2018/08/31
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