人狩り熊

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人狩り熊

  • 著者名:米田一彦
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • つり人社(2018/05発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784864473170

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内容説明

2016年5~6月、秋田県鹿角市郊外でツキノワグマに襲われ4人が死亡・4人が負傷する本州未曾有の事件が起きた。襲われて絶命した犠牲者は体を食害されたことも判明し、その衝撃は日本列島を駆け抜け市民を震え上がらせた。 青森・秋田県境に近い北東北の辺境の森でいったい何が起きたのか? かつては秋田県庁職員、現在はフリー研究者であるクマの第一人者・米田一彦は事件の真相を解明すべく、現場に足を運んだ。危険な笹薮に入り、遺族や関係者の証言を集め、現地のタケノコ採りに話を聞き、現地の特異な農業形態を調べ…散らばったパズルのピースを1つずつ集めて見えてきたものは。 クマ追い歴46年の著者が、事件の真相を後世に残すべく己のすべてを懸けて実像に迫った渾身のドキュメント!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

34
平成28年、秋田と青森の県境で起こった、ツキノワグマによる獣害事件。タケノコ狩りの入山者が多数襲われ次々に命を落とす。数日経った遺体の状態は著しく。警察と役所の対応によって被害は拡大した。著者はクマの生態に詳しい地元出身の研究者。事件の発生の地域的経緯、経済、地理的な特徴、クマの特性、そして構築すべき未来。一方的に駆除を目指すのではなく、かつ一切の駆除をなじる、無知かつ短絡的動物愛護者の非難は論外だが、結果的に人口減と地域経済の衰退を目論む中央官庁が障害となり、クマとの共生は非常に困難と思える。2023/06/06

まさ

27
平成28年に立て続けに起きたツキノワグマによる食害事件に当時とてつもなく衝撃を受けた。一過性のものではなく、熊の間で情報が共有されていっているのではないかと思うくらいに続いた。その事件について、著者独自の調査、幾多の取材、そしてレポートと当時の状況を緊張感をもって発信している。ただ、事件を具体的に想起させようとする一方で、収集した記録と著者の推察や感想・思いも入り混じり、なんとも読みにくい。「後世に伝えたい」思いからか、話題も広がり「クマと人の関係」の亀裂を指摘するに至るが、どうまとめればよいのやら。2021/05/28

あかぽち

13
平成28年に秋田で起きたツキノワグマによる獣害事件を追いかけたドキュメント。 私もついに熊を目撃したので、今後も熊と共生するために学ぼうと手に取りました。熊は確かに怖いけれど、一人目の犠牲者が出た時に行政がちゃんと動き、市民が入山しなければ二人目からの犠牲者は防げたのにな。熊が人の作物を食べ、人が熊の住む山奥の山菜を食べる、変な時代になってる現代らしい事件でした。2018/07/01

ようはん

7
2016年に4人の犠牲者を出した秋田県鹿角市の十和利山熊襲撃事件のドキュメント。 人を襲う熊という認識は同じ秋田県を舞台にした漫画「銀牙 流れ星銀」で初めて得たけど熊の脅威という点では全くのフィクションではないと感じさせる。第2の犠牲を出した子連れの熊は赤毛が特徴というのは赤カブトを想起した。2019/06/11

ふたば@気合いは、心を込めて準備中

7
人間のエゴがむき出しになった、何とも読後感の悪い内容だった。個人のささやかな楽しみのために、自分や、家族、親しい友人にとわずかに採集するというならいざ知らず、国有林に入り込み、山菜やタケノコをごっそり採集し、金に換える行為は正当なものだろうか。そういう営利目的の採集は、自身の持つ山で行っているものと思っていたから、衝撃だった。山を知るために、どんどん採集しようという意見には、賛同し難い。そんなことで何かわかることはないし、反対に、自然を軽視することにつながりかねないと思う。2018/08/27

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