集英社文庫<br> 砂の王宮

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集英社文庫
砂の王宮

  • 著者名:楡周平【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 集英社(2018/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087457117

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内容説明

戦後、復興へ向け活気に溢れる神戸の闇市で薬屋を営んでいた塙太吉。進駐軍の御用聞きをしている深町の戦略的な提案に乗り、莫大な儲けを手にする。その勢いで、スーパーマーケットを開業し、格安牛肉を武器に業績を飛躍的に向上させた。全国展開への道を順調に進むが、ある事件をきっかけに、絶体絶命の局面に……。日本が世界経済の中心に躍り出た激動の時代を支えた男を描く圧巻の経済小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

307
面白かった。一部と二部それぞれ楽しめるが、趣がかなり変わるので、どちらももう少し長尺にしてどっぷり浸からせて欲しかった。特に一部は、その後をもう少し読みたかった。もともとが闇市あがりの主人公なので、かなり脂っこい性格をしており、主婦の見方とかいうワードも、現代のユーザーファーストとは少しニュアンスが違う。誠実屋のステップアップのキッカケやヒントはほぼ深町の持ち込みで、塙社長はそれを嗅覚で選り分けて決断しているだけ。大きくなる人は実際こんな仕事の仕方なのかなと腑に落ちさせる力のあるモデル小説。2020/02/27

小説を最初に書いた人にありがとう

108
楡作品の真骨頂的な作品な気がする。主人公の塙太吉が戦後に闇市からのし上がり、巨大スーパーマーケットチェーン総帥まで上り詰める大河的な話。モデルはDかIYかわからないけど着眼から拡大までをなぞっていくことは勉強にもなった。経済小説かと思いきや後半はミステリー要素もあり厚い本だが飽きることなく読みきれた。この作家さんは成功者の光と影を書くのが好きなのかな。2018/05/17

ユザキ部長

75
不意に起きたつむじは小さなものだったが、帝国を象徴する王宮の塔のように見えた。が、それも一瞬のことで、砂は大気に溶け、塔は幻のように消え去った。俺には情熱ある熱き血が流れる。その言葉は無駄にしない。2020/04/24

pdango

57
★★★★★戦後闇市から日本を代表する流通王へ(帯より)。勝つか負けるか、きれいなことばかりじゃない事も含めて、大企業を一代で築き上げる人の才覚やバイタリティーは、凡人とはかけ離れていて面白かった。2018/07/01

Walhalla

39
モデルとなっている企業と人物はすぐに分かりますね。 かつて流通王と呼ばれた「ダイエー」の創業者の中内功さんの生き様に、フィクションを混ぜて描かれていました。 戦後の闇市から始まり、それまでにない流通システムを構築し、スーパーマーケットの展開で価格破壊を巻き起こしたカリスマですね。全てが順調という人生ではなかったかも知れませんが、価格の決定権は製造メーカーではなく消費者にあるという信念は、「主婦の店ダイエー」という店名にもよく表れていますね。これはとても面白いです。2020/01/30

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