内容説明
父親を亡くし天涯孤独となったおきみは、残された借金返済のために古道具を売るが大した値はつかない。最後に残った根付を売りに皆塵堂に行くが、二束三文で、このままでは女郎屋に行くしかない。だが、その根付を持つと、後ろ足だけ白い猫が夢に現れ、予知夢を見せてくれるのだった。いつもは釣り三昧の皆塵堂の主・伊平次は一計を案じる。そして皆塵堂は、曰く品の古道具ばかりか、可愛い子猫まみれになるのだった……。大団円。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
87
いやぁ、"春のパンまつり"ならぬ"春の子猫まつり"だよ! 生まれも生まれたり13匹+3匹。怪談話はすっかり猫話に化けてしまいましたね。例によって巳の助が里親探しをして、江戸中に子猫が散らばることに。そうなれば、棒手振で江戸中売り歩くのも楽しくなるものね。 それにしても、これまでも"あとがき"でこの『猫の夢』でシリーズ完結と宣言していたのに、しれっと続編が出ているんでびっくりです。ファンには嬉しいビックリなんですが...2023/01/08
papako
73
皆塵堂大団円!って読んだ時にはすでに続編が出てました。今回は珍しい女の子おきみが登場。彼女を救う夢の猫を探す。皆塵堂の周りは子猫祭り。太一郎は江戸を逃げ出し、庄三郎の仇の死を見届けた。円九郎は相変わらずだけど、いつか家に帰れる日がくるのか?おきみに先を越された!巳之助は子猫の貰い手探しで過去の登場人物たちが総出演。いつもよりも猫多めなのは良いけど、まとめに入っちゃったなという感じでしたね。ま、ここまでしか手元にないので一区切り。楽しませてもらったので、他の作品も読んでみたい2021/06/18
mihya
50
皆塵堂シリーズ7冊目。一応の区切りらしくオールキャスト&オールキャットで大団円。でも結局、足袋は何だったの? シリーズ最終巻のつもりで書かれたらしいが、続きが出ているのでそこで明らかになるかな。巳之助のお嫁さんも。(もう、おちかちゃんで良いんじゃないか) また皆に会えるのが楽しみ。2022/09/30
Richard Thornburg
32
感想:★★★★ ちょいと寂しくなるけど、シリーズ第7弾にして最終巻。 今までの流れでこれまでの登場人物総出演。 過去の事件(庄三郎サンの一件)に関してもうまく風呂敷を畳んでくれたので、とりあえずは悪いヤツが裁かれたようですっきりしたかも。 円九郎サンの登場はちょっとお腹いっぱいになって(笑)ちょいと盛り上がりに欠けたかも。 猫がタイトルになっているので、活躍するのはもちろん巳之助サンなんですが、あの行動力は猫への想いがあってこそ。 2018/12/28
HMax
29
シリーズ最終の第七巻。最初のころは怖くて悲しい話しもありましたが、だんだんとコメディーっぽくなってきたかなと思ったところでシリーズ完結。時代物猫話作家の話しだけあって、子猫12匹+αの猫祭りに、これまでの皆塵堂の顔なじみが勢ぞろいし、大団円での楽しい終わり。小僧でいっちょ前の峰吉がもう15歳になっていたのが感慨深い。備考:白足袋の子猫の謎が解けていないようで、スピンオフとか出るのかな?2020/10/11