内容説明
一瞬の技に生涯を捧げた男! 幕末から昭和を生きた大東流合気柔術の達人、闘いと漂泊の日々。武道の神髄は合気にあり。極みを追い続けた生涯。 幕末、会津の神主の子として生まれ、明治維新後、会津藩家老をつとめた西郷頼母より大東流の武術を学んだ武田惣角。若き日に武者修行の旅に全国をめぐるが、折しも鹿児島の西郷隆盛が挙兵したとの報が。惣角は西郷軍に参加する覚悟を決めるが…大東流柔術の中興の祖となり、合気を極めた武術家の熾烈な闘いと、漂泊の生涯を描く傑作歴史長編! 解説/菊池 仁
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
136
物語だと思いましたが、大東流合気柔術を極めた武田惣角の伝記!幕末、会津、西郷頼母が絡んでるから、戊申戦争物だと思ってましたが、全然、違いました。自分の知識のなさに自己嫌悪。武田惣角の日々、全国各地に武芸修行にあけくれ、境地を開いた姿は、自分に厳しく努力して修行した結果。惚れ惚れしますね。そして、人生毎日が修行だと思わされました。小男の惣角がバタバタと大男を倒す様は心地よかったですが、やや単調というかワンパターンな感じがしたかな。それなりに面白かったです。2019/10/12
活字スキー
17
【思いっきりかかってきなさい。ひとりずつでも、二人でも、ここにいる全員でかかってきてもよろしい】幕末の会津に生を受け、ひたすら武の道を歩み続けた武田惣角の生涯を描いた伝記。図らずも初・津本作品が追悼読書になってしまった。惣角は知る人ぞ知る大東流合気柔術の中興の祖。その超絶的な技巧は体格差など関係なく触れるだけで軽々と人を投げ飛ばす。格闘漫画『刃牙』に登場する合気道の達人・渋川剛気のモデルの師匠の師匠、と言えば分かりやすい……か?2018/05/31
けんけんだ
15
大東流合気柔術の正当な継承者武田惣角の話。源氏新羅氏甲斐武田氏から代々伝承されてきたそうです。合気道をやっていた者には技がどんなものかわかりますが、実際に実戦で使えるのか!と感激しています。形ではなくガチンコで技をかけて教えてたんですね。まあ普通の人には無理だというのもわかりました。2022/06/01
旗本多忙
11
武田惣角は1859年安政6年会津藩の由緒ある家に生まれた。剣道を極め、大東流合気柔術を会得し、植芝盛平が合気道として継承した。若年で故郷を出奔し剣の修行に明け暮れだが、剣には限界があるとして、20年の武者修行を素手で戦うことで極めたのだが、小説は非常に面白い。夢枕氏の東天の獅子にも登場するが、ここまで出来るなら、もう神ですよ神。千葉真一の映画の世界だよね。無敵だもん。気合いだけで一間先に置いた茶碗の水を飛び出させたり、気合いで茶碗を割ったり、事実なら漫画としか思えんわなあ。でも間違いなく強い人のようです。2022/05/28
woo
7
歴史小説は書きこなせないが、剣豪小説は出色なこの作家。合気となるとやや剣豪ものに近いので入手(笑)ま、それなりに面白い♪2019/04/11