創元推理文庫<br> ピラミッド

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創元推理文庫
ピラミッド

  • 著者名:ヘニング・マンケル【著】/柳沢由実子【訳】
  • 価格 ¥1,425(本体¥1,296)
  • 東京創元社(2018/04発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488209209

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内容説明

北欧ミステリの帝王、ヘニング・マンケルが生んだスーパースター、イースタ署の刑事クルト・ヴァランダー。そんなヴァランダーが初めて登場したのは、ガラスの鍵賞受賞の『殺人者の顔』だが、本書は、ヴァランダーがまだ二十代でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」「裂け目」から、イースタ署に移り、ベテランとなった「海辺の男」「写真家の死」を経て、『殺人者の顔』直前のエピソードで、飛行機墜落の謎と手芸洋品店放火殺人事件を追う「ピラミッド」に至る、5つの中短篇を収録。ヴァランダーの知られざる過去を描いた、贅沢な作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

149
シリーズの最初にこれを手に取った人はどう読むのだろう。私は、若いヴァランダーを見守るように読んでいた。そして、ここにリードベリがいることが嬉しくて。そんなリードベリが実は一作目にしか登場していなかったのが信じられないくらいだ。自らも同じ病に倒れた時、リードベリのことがマンケルの頭をよぎっただろうか。署の面々についても、その後に起きたことを考えずにはおれなかった。そしてピラミッドの最後の終わり方。もうこれはミステリを超えたストーリーテリングだと思う。2018/08/12

KAZOO

130
ヘニング・マンケルの5編の短編集です。短編とは言いながらも、創元推理文庫なので厚い1冊ですが文春文庫や新潮文庫の文字の大きさでしたら3冊分くらいはありそうです。主人公刑事が20代の若手の独身の頃から結婚して子供が5歳の頃あるいはそれよりも大きくなったころということで話が時系列で進んでいきます。父親とのやり取りもあったりしながら、正統派刑事という感じでの対応が見られます。このシリーズもあと少しで終わってしまう感じです。楽しみが少なくなります。2019/05/01

巨峰

105
クルト・ヴァランダー警部シリーズ番外編は彼の若い警察官になりたての時期から第一長編直前までの時期に起こった5つの事件を描いた中短編集。5つの事件自体読み応えがあって大満足なのです。それから最新長編ではもう生存しない人が生き生きと活躍しているのもまた嬉しい。そして、それにもまして、この小説は、ヴァランダーとその父の不思議な関係の物語になっている。父はいう。「もうじき、一緒にイタリアに行こうな」。こんな息子への信頼と愛情に溢れた言葉を小説でよんだことはないです。個人的には至高の一編になりました。2019/02/24

ふう

98
「ヴァランダーシリーズが始まる前のヴァランダーについて知りたい」という読者の声に応えて書かれた作品。22歳、まだパトロール警官だった頃から物語が始まります。その頃から捜査に夢中になると、二人で行動の原則を守らず危ない目に合っていたのですね。家族にとっても読者にとってもハラハラさせられて疲れる男です。ただ、彼が危惧する犯罪の変化や増加、そしてスウェーデンにも押し寄せる民主主義の危機について語る場面は、こんな人が警官でいてくれるのはいいなと思ってしまいます。もう少し自己管理ができるといいのですが、忙しすぎかな2020/01/06

NAO

94
初出が中年刑事だったヴァランダーの「それ以前」を描いた短編集。20代から40になった頃まで。ベトナム戦争、アフリカからの移民問題、過激化する犯罪の中での警察や検事の在り方、麻薬の密売、といった社会情勢を背景とした事件を描きながら、ヴァランダーと元妻モナの歴史、ヴァランダーと父親との関係の歴史を描く。モナとの関係は年々冷え切っていくばかりだが、父親との関係は少しずつながら改善していき、そこに娘のリンダも加わって、ヴァランダーの精神的支えになっている。とくに『ピラミッド』の父子関係がほほえましかった。2018/12/12

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