内容説明
清水湊から父島、そしてアメリカへ!
アメリカに憧れ、アメリカを旅した時代小説作家・山本一力のウェスタン小説登場
江戸末期の文政年間、小笠原の父島に漂着した娘とアメリカ人の元捕鯨船乗りの間に生まれた兄弟、丈二と子音。
彼らはアメリカの捕鯨船フンラクリン号の副長だった若き日本人ジョン・マンと出会ったことで、大航海への夢を募らせていく。
当時、海の向こうのアメリカ西部はゴールドラッシュに沸き、一攫千金を夢見る人々が殺到。
シャンハイの大富豪チャンタオも事業拡大を狙ってサンフランシスコへ向かう。
途中立ち寄った父島で、丈二と子音の兄弟を船に乗せ、たどり着いた新天地で作業着店を開業。
そこにやって来たのが、妻を殺したサントス一味への復讐を誓うリバティー・ジョーだった。
日米中を股に掛けた、男たちの死闘必至の大作戦が始まった――。
週刊文春に一年以上をかけて連載された、山本一力版の大西部劇。超弩級の作品がついに文庫化!
解説・縄田一男
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
50
群像劇と云うにしても、それぞれの出来事に繋がりが稀薄で散漫な感じがする上に、解説を挟み込むので物語の流れが途切れ勝ちな第一部が下拵えで、第二部のクライマックスのぬるい銀行襲撃に集約したのだとしても、あれだけ丁寧に造り上げて鎖国日本からアメリカ大陸に上陸させた兄弟の扱いが不充分に感じてならない。クライマックスでの活劇を期待していただけに、彼等がただ社会勉強をしただけでは物足りない。2019/03/27
James Hayashi
23
地名、ジョン・万次郎、ジョン・サッターなど実名入りのフィクション。Coloma, CAでの砂金発見から黒潮沿海での捕鯨など組み合わせたもの。解説ではウェスタン小説といっているが、自分は時代小説のアメリカ版という感じで読んでいた。2018/12/25
hasami1025
8
ジョン万次郎に物語と勘違いして読んだが全然違ってた。極悪非道なギャング(?)への復讐劇。当時の生活とか文化を感じるのは楽しかったかな。小笠原育ちの丈二と子温の成長とか冒険譚がもっとあればなおよかった。2021/01/07
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3
小笠原、上海、アメリカ西海岸と舞台が大きく広がった挙句のしょぼくれた西部劇で、何となく消化不良。600ページも読んだのに・・・。 たまたま急な出張のためサンフランシスコに向かう機内で読み終えたことは、個人的には記録しておきたい。2018/06/13
hiyu
3
何だか西部劇に感じるものでもあるが、これは一体誰が主人公なのだろうか。それとも続きがあって、収束していくのか?2018/06/11