光文社文庫 硝子（ガラス）の記憶

著者名：新井政彦

光文社（2018/04発売）

• ISBN：9784334776039

内容説明

夫・徹夫の元から逃げ出した実優は、2年たった今でも、暴力の悪夢を見る。徹夫からの追及を恐れていたが、ついに居所を突き止められてしまう。離婚を主張する実優に、夫の代理人である弁護士は、暴力などなかったと言う。事実を証明しようと、実優はかつて住んでいた街を訪れたが、自分が間違っていたことに愕然とする。彼女の記憶の深淵に隠された真実とは!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[えみ]

嫌な予感と粘着質な不快がずっと身体中に纏わりついていた。決着を見た今でさえ嫌味なゾワゾワが離れてくれない。何かがおかしい。何もかもがおかしい。そう思うのに、今一つはっきり見えてこない。混迷する記憶は何を意味するのか。不安定がわざとらしいほど前面に押し出されてきて、正直結末を知るまで何もかもが疑心暗鬼だった。奥底に隠された真実その記憶は何を訴えているのか…。DV夫から逃げ出して2年、遂に居所が突き止められてしまった実優は彼女の知りたい知識を豊富に持つ若者達の協力を得ながら自分に降りかかった不幸の正体を探す！

2022/07/14

[おかだ]

FXの情報、こんなに要る？　夫の酷いDVから逃げ、FX取引で生計を立ててひっそり生きる実優。ついに居場所を突き止められてしまうが、そこで判明したのは「DVの事実など無かった」という現実…実優の記憶は一体どうしてしまったのか？というお話。記憶がどうあれ、結局は逃げ出したくなるほどの問題が家庭にあった事は明白なのだから、真相にそれほど衝撃は無かったわけで。実優が超うぬぼれ屋さんの高飛車さんで、女王様扱いをしてデレデレ持ち上げる男性陣に嫌悪感凄かった。大事なことなのでもう一回言うけど、FXの情報、こんなに要る？

2018/10/07

[一五]

DV夫から逃げている実優。見つかって、判ったことは、記憶が間違いだらけ……。何故？　　それにしても助けてくれる青年2人 都合よすぎて、こいつらも怪しいんじゃないかと思ったよ

2020/07/07

[Mie Tange]

なるほど、よくできた話で面白い。 専門用語が多めで読んでてちょっと疲れる時があったけどね…。 エピローグの雰囲気だけ、しっくりこない。 個人的には仲間意識のまま終わりがいいなぁ(笑)

2018/11/24

[光雲]

DV夫から逃げ出す準備や日常の様子はハラハラして読み応えあるも、こんなすぐ素人がFXで儲かるのか、やたら親身な臨床心理士や司法試験突破の優秀なメンズ、、やけに実優の女弁護士に対する反発、散財ぶりと何か裏があるのでは？とずっと疑いながら読みました。切手の話と逆に毒を入れたような怪しい行動をするところが面白かったけど、裏がなかった分肩透かし感も。実優はじめ登場人物好きにないのも残念。

2024/02/12