内容説明
神武天皇、卑弥呼、神功皇后……。実在したのか定かでない人々のことをあれこれ考えて何になる、と思うなかれ。古代史の常識は遺跡の発掘など考古学の進展により日々改められており、その常識に沿って『日本書紀』を虚心坦懐に読んでみると、様々な謎が解けてくる。縄文時代から脈々と築かれたネットワークを司り、ヤマト建国の背後で暗躍した海の民の存在とは? 歴史作家・関裕二が問う驚きの日本古代史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるわか
17
縄文の海人のネットワークに守られた王権。王のキサキの娘(巫女)が神とつながり託宣を引き出すヤマトの統治、母系の身内が真の権力者。神功皇后=台与。神武天皇=応神天皇=大田田根子。奴国の末裔阿曇氏は天皇家の母系の祖。伊都国・邪馬台国(卑弥呼)に圧倒された奴国はヤマト(神功=台与)と結び卑弥呼を滅ぼす。九州で分立した神功はヤマトに攻められ阿曇氏・大伴氏ら海人、隼人に守られ日向に逼塞。疫病に悩まされたヤマト(崇神)は神功・阿曇氏の子孫を祭祀王として招聘(神武=応神)、建国。藤原氏による日本書紀は建国の歴史を抹殺。2018/07/23
aloha0307
15
日本という国家の成立過程、ヤマト建国(昭和のとき教わった 大和朝廷 のこと?)は今だに曖昧なのだそうだ。日本書紀など公式歴史書は天皇家の歴史礼賛のための創作で信用できない...この通説に筆者は正面から切り込む。各資料を読み込んだうえで、何故か(意図的に?)言及されることがない”九州”の勢力、そして海の民に注目するとかなり視界が開けますね。邪馬台国=ヤマト ではなさそう。卑弥呼の後継 壱与が神功皇后だとは、大胆な推理~but説得力あるなあ...2018/08/05
fseigojp
14
結構、考古学的知見が取り入れられていた2018/05/20
Tadashi Totsuka
4
関裕二さんの古代史本を続けて読みました。今回は、神武天皇と卑弥呼。神武天皇は、南九州の海人?隼人に守られていたらし。そして、崇神天皇の時代に疫病が流行して、ヤマトに呼ばれたらしい?橿原の宮に住み、ヤマトの纏向にはいなかったらしい。台与が神功皇后であると書かれています。どうも納得いかないです。もっといろいろの古代史本を読んで探りたいですね。2019/05/09
岸田解
4
キャッチーなタイトルに惹かれて。一つの仮説・推理として面白かった。/「おわりに」で触れられている、もう一つの「謎解き」についても是非、読んでみたい。/しかし、その前にちゃんと『日本書紀』も通読しておかなくては。2018/09/03