内容説明
今、あなたにパートナーが
いるのであれば、その人を
本当に大切にしていると言い切れますか。
特に、長年寄り添ったパートナーで
あればあるほど、その大切さに
気づくことなく過ごしているのではありませんか。
ある日、突然、パートナーが倒れて
動けなくなる。もしも、あなたの
身にそんな事態が降りかかってきたら、
あなたなら、どうしますか。
現役医師でありエッセイストでもある
著者・川村隆枝の夫は、
2013年に脳出血で倒れて
半身不随になりました。
以降、川村夫妻は介護生活を
余儀なくされました。
今までは、自立した大人の夫婦として
それぞれの暮らしを大切してきた
川村夫妻は、倒れてから
強制的に時間を共にすることになります。
介護生活は過酷で
夫は動けない、上手く喋れないだけでなく
・ヘルパーさんに感情的になる
・精神的に不安定になり意味の分からないことを喋り出す
・夜中に突然警察を呼び出す
など、予想だにしなかった
苦労が襲いかかってきます。
泣きたくなる日々の連続だけど
濃密な時間を過ごすなかで
著者は、徐々に忘れかけていた
夫への愛情を思い出していきます。
「今日、あなたが生きている。
それだけで、こんなに幸せだったことに
なぜ、今まで気づかなかったんだろう」
パートナーがそばにいることは
当たり前ではありません。
たとえ、お互いが空気のような
存在になっていたとしても
空気がなかったら生きてはいけない。
それが、夫婦というものかもしれません。
その大切さに、介護という過酷な
生活を経たからこそ気づけた。
読むと、勇気と希望が沸いてくる
夫婦愛の物語です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
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貴重な体験記。医師である著者が夫の介護について書いている。夫婦ともに医師だったので、経済的には恵まれた立場にある。しかし、介護の難しさは変わらない。夫は脳出血で倒れて、体が不自由になった。排泄などのデリケートな問題、自宅介護の難しさ、リハビリ時の理学療法士との相性など、当事者でなければ分からないことがきちんと書きこまれている。夫が医師だった時に救えなかった人たちのことを思い出し、苦しむところでは涙が出そうになった。介護する側が、介護にのめり込みすぎないで、気分転換をするというアドバイスが一番役に立つ。2018/08/30




