内容説明
●なぜ家康は三成に挙兵する隙を与えたのか?●なぜ家康はギリギリまで動かなかったのか?●なぜ三成が西軍を率いることになったのか?●なぜ三成は秀吉恩顧の大名から嫌われ、外様大名から慕われたのか?●なぜ真田は徳川の大軍を足止めできたのか? ──これらの謎も、経済で見ていくとスッキリ解ける! 「関ヶ原」を取り巻く点と点が一本の線になる痛快!歴史読本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
18
これは「ええ本」ですね。著者は簡にして要を得た解説に定評がありますが、その中でも白眉といってよい出来栄えですわ。「経済というアプローチで関ケ原の戦いに至る過程を検証する」というのが本書の論旨。これを初級者にも優しい筆致でつづってくれています。ややもすると関ケ原は「情報戦で圧倒した家康が勝つべくして勝った」と総括されてしまいがちですよね。本書ではそれとはまったく別物の角度から斬り込んでおり、関ケ原の戦いはもとより、歴史全般をながめる新たな視座を得られること請け合いです。ということでこれは「ええ本」ですわ。2019/12/16
maito/まいと
13
どうしても、人物関係とか天下=武力闘争、のような固定イメージがついてしまう戦国時代。ただ、最近は固定観念以外の切り口が増えてきて、学べることが増加中!本書も秀吉・家康を経済政策で比較したり、三成の合理的な戦略を改めて検証するなど、「家康が勝つべくして勝った」結論に安易にたどり着かない構成が読み応え抜群。また、信長の土地依存解消スタンスが、本能寺の変を招いたという論調を展開しており、こちらもおもしろい話し。戦国時代を改めて見つめ直せる1冊だ。2018/02/03
水無月
4
財政面で圧倒的に優位な立場にいながら敗戦した三成と物資不足で最終的には相手の裏切りに頼るしかなかった家康。各武将の経済的な事情からその関係性や挙動を推察。光秀の謀反、秀吉の朝鮮出兵から関ヶ原まで、各武将の領地の問題と財政事情を解説してくれる本。2019/10/05
kobaton
3
合理!なるほどね、さすが家康、計算高い。大人物ほど経済合理性で動くということだな。結果として時代も動く...天下分け目の合戦の動機が三成に対する妬みであるわけないし、ましてや光秀が信長を討った理由が禿げを馬鹿にされたからということはないのだ。そんなのは後世の俗人がゴシップ好きの大衆向きに作った戯言だ...そう、大局に際して感情で動くリーダーは大成しない。こずるいと評されても損得は勘定すべきだし、経済原理に則った行動を実践するべきだ...虚栄心や好き嫌いが行動基準になっているリーダーは滅びるべくして滅びる。2018/06/11
しばわんこ
1
経済の視点から見た関ヶ原の戦いの分析。戦国時代に置いても経済事情は非常に重要視された。経済面を見ると武将のその時の行動の理由が見えてくる。 徳川家康、石田三成が関ヶ原の戦いに至るまでにそれぞれが抱えていた経済事情。歴史の裏事情を垣間見ることができて、とても興味深かった。2022/04/21
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