内容説明
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《ポアンカレ予想》は、20世紀の初頭にフランスの数学者アンリ・ポアンカレが提示した位相幾何学の問題であり、2000年にクレイ数学研究所が発表した7つの数学の難問(賞金100万ドルのミレニアム問題)の一つです。百年間、誰も証明できなかったこの問題が、21世紀の初めにロシアのグリーシャ・ペレルマンによって証明されました。
本書は、ポアンカレ予想をテーマに、トポロジー(位相幾何学)、基本群、非ユークリッド幾何学、微分方程式、多様体、フーリエ展開などの数学的題材を解き明かしていきます。大学受験を迎えた「僕」の苦悩と数学ガールたちとの交流も軽やかに描かれます。
『数学ガール/ガロア理論』の刊行から6年。「数学ガール」ファンはもちろん、すべての数学愛好家に捧げる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
21
シリーズ第六段。シリーズ完結でしょうか。数学をめぐる長い旅も最後はポアンカレ予想。非ユークリッド幾何学から位相幾何学を説明。リーマンによるリッチ流およびリッチ曲率の導入と、ポアンカレ予想の解決に向けて突き進みます。4次元立方体の話は改めて考えたことがなかったので興味深く。その他の部分は一応、元専門分野なので、記載されてる内容くらいであればなんとか。。2022/06/17
galoisbaobab
19
位相空間?なにそれ美味しいの?って人は必読。しかしテーマはポアンカレ予想!リッチフロー方程式をマジで解説されてたらきっと死んでたけど、熱伝導方程式との類似性で解説されるとわかった気になる自分がコワいw(わかってないんだぞ>オレ)読み物紹介でボクの大好きな「トポロジカル宇宙」が真っ先に挙げられていてなんか嬉しい気分になる勘違いw 大学の教養課程で「数学ガール」という授業を必須にしてほしい。2018/04/26
おりぜる@論文終わるまで読書可能時間激減
14
面白かった。トポロジーと「お友達」にはなれなかったけど、知り合いくらいにはなれたかな? 次は本格的な本で学ぼうと思う。 ▼主題がポアンカレ予想になってるけど、あまり肉薄できていないので、ちょっと物足りなかったかも。さすがにポアンカレ予想をこういう本で扱うには、前提となる概念がありすぎてページ数的に無理だったのかな…? ▼ポアンカレ予想の、数学的に正確な命題を知ることができたし、証明の概略も分かったので、あとで本格的に学ぶときの足がかりは得た気がする。 2019/09/16
はる
13
面白いなぁ。けど、どうやら読む順番を間違えたよう…。一冊目から借りてこよう。しかし、高校時代に結構時間を割いて勉強したはずの数学、どうしてこんなにきれいサッパリ忘れてしまってるいるのか…。また学び直したら新鮮な驚きがありそう。2022/09/09
まえぞう
13
シリーズ最新作はトポロジーの話しで、ペレルマンで有名になったポアンカレ予想に挑みます。ポアンカレ予想の証明の説明は著者にも難しいようで、さすがの才媛ミルカさんにも「要勉強」と言わせています。今回の成果は、なぜ熱力学が証明に使われたと言われているのか、リッチフローの話しのなかで感じとることができたことです。2018/11/04