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内容説明
無敵と謳われたバルチック艦隊がやって来る。東郷平八郎を司令長官とする、日本海軍の連合艦隊は、これをうち破ることができるのか。これが、苦戦この上なかった日露戦争の、勝敗を決する、最も大きな分水嶺であった。国家存亡の危機に立った明治日本が、まさに背水の陣で戦った、「日本海海戦」。未だ伝説の如く語り継がれるその勝利に、日本を導いたのが、参謀・秋山真之である。彼は、ロシアを仮想敵国とした軍事情勢のもと、海外留学で見聞を広め、万巻の古書から、外国の書物までを読破し、壮烈な姿勢で、対露の海軍戦略を考案して行った。「日露戦争における海上作戦を通じて、さまざまに錯綜する状況を、その都度総合して行く才能にいたっては、実に驚くべきものがあった。彼はその頭に湧いて尽きざる天才の泉を持っていた」と、名参謀であった島村速雄も舌を巻いた。この一戦を戦うためにあったような、勇壮な生涯を描く長編歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
27
歴史上、最も好きな瞬間に中心となった人、秋山真之。明治30年(1897)国家予算の55%が軍事予算。日清戦争を終えロシアの影が迫り軍備増強はやむをえない。真之は西洋ばかりでなく、孫子、信玄、村上水軍なども研究し戦術を調えた。「天気晴朗なれども波高し」は膂力を増すことばであり美酒に巡り会ったごとく美しい響きを持つ。尚且つ準備万端であり、黄海海戦の二の舞いにならんと注意を促す、素晴らしい銘文。世界的に評価されているらしい。「皇国の興廃、此の一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」運もさる事ながら、普段からの 続く→2017/09/24
糜竺(びじく)
16
司馬遼太郎の「坂の上の雲」と同じ主人公の小説です。「坂の上の雲」より、こちらの方が短かそうだったので購入(笑)。日露戦争の頃の事は、ほとんど詳しくなかったので、この作品を読んで非常に勉強になり、サクサク読めました。それにしても明治の人達は熱いですね。この時代に日本はよく大国ロシアに勝てたと思います。負けてたらロシアの植民地になってたかもしれないわけで・・。主人公を含め、多くの日本人の涙ぐましい努力と犠牲により、日本の植民地化を防げたんだなと、つくづくこの本から伝わりました。2013/04/26
MIKETOM
10
ロシアは極東にも艦隊を持っていた。彼等はバルチック艦隊の到着を待っていた。両者が合流すると日本艦隊の二倍のサイズになる。日本側に勝ち目はない。日本が勝利するには個別に戦い、極東艦隊を全滅、日本側は無傷の状態で乗り切って初めてバルチック艦隊と五分に戦える。これがどれほどのプレッシャーだったことか。しかし日本はそれをやり遂げた。東郷平八郎は秋山真之のことを「智謀湧くが如し」と評したが、東郷の統率力と秋山の頭脳があればこその勝利だった。「兵を百年養うは一日のためにあり」とのこと。九条バカに聞かせてやりたい。2022/03/08
KiKi
4
こちらの本で良かったのはあの「日本海海戦」以後の真之さんのことがわずかながら書かれているっていうことと、あとがきの中にあったこの言葉に感銘を受けたこと・・・・・ぐらいでしょうか? 「史は詩であり志である」 司馬さんの「坂の上の雲」を読んでいても感じる高揚感は、まさにこの言葉に凝縮されていると思うんですよね~。 「歴史に学べ」とは言い古された言葉だけど、私たちが偉大なる先人に学ぶべきことの1つはこの「志」じゃないかなぁ・・・・と。 志のあるところに事が成り、その事が歴史として後世に伝わり感動を生む2011/12/21
komo
3
もし日露戦争で日本がロシアに負けていたら、どんな黒歴史が刻まれていたのだろうと思うと、この秋山真之が神々しく見えてくる。 ペリーが横浜沖に錨を入れて以来、日本は近代海軍の建設に力を入れて、日露戦争当時世界一流の海軍にまで成長した。 それは、東郷平八郎提督の下に伝説の名参謀秋山真之がいたことが要因である事は間違いない。 570ページからなる長編だったが、読んで良かった。 今度、横須賀の三笠を見に行ってみようかな。2023/06/05
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