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内容説明
好きなものは世の中にいっこでいい。大切なものに代えがあるのは、さみしいから。…第一話「明日も触らないね」よりこれまでにないマンガ表現を模索する絵柄や描写で、評論家や目利きの書店員から2010年代を牽引する逸材として注目を集める宮崎夏次系の最新作。今作では、人間のあらゆる種類の「さみしさ」を描いた短編九本が収録されている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダリヤ
64
おだやかに、あたりまえに過ぎてく日々に見落とされ、気づかないように、こわさないようにしているものがきっとだれにでもあって、そんなのをすんごい切り口でおしえてくれる。宮崎さんの作品たちはどれもほんとせつなくいとおしい。石鹸のおにいちゃんが、なんだかわたしもわすれられない。2014/07/16
Peter Rabbit@ポプちゃん大好きです
33
《感想》暴力を振るってくるように豪快に作者のメッセージが伝わってくる。今を生きる忙しい人々にぜひお勧めしたい作品だ。一遍一編ごとの読了感がたまらず、するすると一冊読了し終わってしまう。少し頭の狂った登場人物達がこの作者に描かれることでものすごい物語を作り上げて本当に心に響く作品だった。題名が不思議で読んでみようと思ったものの、中身も最後まで不思議なままだった。読んでると頭がおかしくなってしまいそうなほど強いメッセージ性と登場人物がどんどん押し寄せる。またの機会があれば再読したい。是非一度読んでみては?2023/01/16
kanon
31
そうか、人間のあらゆる種類の「さみしさ」だったのか。全編を通して描かれていたのは。でもなぜか、その奥に見えるほんの少しの「希望」も見えた気がした。これも全編を通して、だ。その「希望」が余韻となっているから、結局のところ読後感は幸せに満ち溢れているのだった。あとやはり宮崎さん絵が凄く上手いと思う。六話の「僕は毎日」の一頁使って描いている草の生やし方を見て、確信した。どこか惹かれる絵を描くお方だ。2016/10/11
gelatin
27
★★★★(★) 『僕は問題ありません』がたいそう良かったので、同じ作者2冊目。不思議系のようでいてしっかりと出来事の筋道が通っているのが魅力。それによって引き出される感情の流れもごくごく自然。だからすとんと胸に落ちるのかも。ショートフィルムのような切り取り方。「リビングで」が特に良かった。2014/08/07
海恵 ふきる
18
普段あんまりそういう事はしないのだが、気が向いたので装丁のみをみて漫画本を買うということをしてみた。結果的に、内容も重みをもって心に残るものだったので掘り出し物をみつけた気分。絵柄も独特かつエモーショナルで可愛らしい。擬音のフォントも自分なりのものを生み出していて凝っているのが印象的だった。擬音自体すこしボケていたりする。ストーリーはごくごく淡々としているが、絵に現れた登場人物の感情が、こちらまですこし呼吸がしにくくなるほどの鮮度で流れてくる。もう1冊同じ作者の気になる作品があるので、機会があればそれも。2019/03/19