日露近代史 戦争と平和の百年

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日露近代史 戦争と平和の百年

  • 著者名:麻田雅文【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2018/04発売)
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  • ISBN:9784062884761

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内容説明

幕末期以来、米英協調を基軸とする主流派に対し、ロシアに眼を向ける一つの潮流があった。ロシア王室との信頼関係を樹立しようとした伊藤博文。満洲経営のため日ソ国交樹立に腐心する後藤新平。満洲国建国後、孤立を深めるなか独ソとの提携に望みを託す松岡洋右……。日露戦争、シベリア出兵、ノモンハン事件、そして1945年の日ソ戦。幕末から敗戦までの遠い隣国との知られざる関係史。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

樋口佳之

28
松岡の構想は、アメリカが日本への経済制裁を強めれば強めるほど、魅力的に映る。日米関係の改善は難しいと考えた日本の指導者たちは、究極の一手として、松岡の構想に望みを託したからだ。しかし、アメリカが日米諒解案を示して、対話の窓口を開くと、アメリカと直接話し合う方が好ましいと、昭和天皇、近衛首相、陸海軍は考える。松岡は、そうたやすく方向転換できない/安倍晋太郎は、その最晩年に、ミハイル・ゴルバチョフ大統領の訪日実現に心血を注ぐ。/安倍晋三首相も、対露外交に積極的2018/09/18

skunk_c

27
主に明治~アジア太平洋戦争終結までの日露史を、明治=伊藤博文、大正=後藤新平、昭和=松岡洋右という人物を軸に丹念に解き明かしたもの。また終戦交渉とその顛末も章を新たにして論じている。特に松岡については森山優の日米開戦に関する研究でその振る舞いが厳しく批判されていたが、それとはまた異なる視点で興味深かった。また後藤新平については、今まで詳細を知らなかったので、その出自を含めての記述は読み応えがあった。印象的なのはロシア帝室と明治天皇の関係、そしてスターリンのしたたかさ。それに対し日本の外交は見劣りがする。2018/06/24

LUNE MER

19
もの凄い読み応え。これを読んだ後で高校の教科書を読み返したら確かに断片的に事象の背景にあるものは嗅ぎとれるかもしれないが、逆はほぼ不可能。教科書や「読みなおす…」的な本を読んで分かった気になるのは本当に危険だと再認識。善悪の判断は難しいが、ロシア相手に清濁併せ持つ外交を行ってきた歴代のキーパーソンの活躍は惹きつけるものが確かにあった。それにしても日露問題を語る政治家の皆さんはきちんとこういった歴史を学んだ上で発言したり行動してるのかしら(・・;)シベリア出兵ひとつとっても彼の国の認識は全然違うよ。2019/10/25

13
伊藤博文、後藤新平、松岡洋右を軸にした日露近代史。冒頭では榎本武揚や西郷隆盛、明治天皇も登場して読み応え十分。後半、戦後の満州における悲劇的状況が分かっているだけに、戦争回避の為や、戦争終結の為にソ連に頼る政府首脳の動きがもどかしい。欧米との様々な交渉が続いた「表」の近代史はよく目にするけど、「裏」とも言える日露史も、日本にとって極めて重要な近代史の一構成要素であることが理解できた。2018/08/20

さとうしん

11
伊藤博文・後藤新平・松岡洋右と、各時期の対露外交を担った人物を中心に近代の日露関係史を描き出しているが、印象に残ったのは伊藤による日露交渉の失敗をはじめとする対露交渉の失敗・挫折である。戦前の日露対立には民族・宗教・イデオロギーの相違や貿易の不均衡は絡んでおらず、自国の安全保障の問題が絡んだ時のみ両国が激しい角逐を繰り広げたとまとめるが、その点にこそ日露関係の独特の面倒くささのようなものがあるのかもしれない。2018/04/25

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