内容説明
かつてない表情をたたえる木喰仏に一目で魅入られた著者の情熱が、上人が生地に書き残した記録の発見という僥倖を呼び、後半生をかけた五千里にも及ぶ廻国修行で千躰以上の仏躯を刻んだという、江戸後期の知られざる行者の、想像を絶する生涯の全貌が明らかに。全国各地で忘れられていた多くの木喰仏が発掘される調査の過程が、後の民藝運動の礎となった記念碑的研究の書が初文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ryohjin
7
世間から忘れられていた木喰仏を発見し世に出した柳宗悦の本。木喰仏との出会いから、その後の調査で発見された仏像や資料をもとに、著者の想像力も加えて江戸時代の木喰上人の姿が立ち現れます。90年を超える生涯を北海道から九州まで、千以上の仏像をきざみながら廻国した木喰上人に惹かれつつ、その姿を熱く追う柳宗悦にも心動かされます。上人の残した和歌も紹介されていますが、庶民に向けたまなざしに味わいがあります。美しく作るということから解放され、無心に作られた仏像には、上人の独創的な美が現れているように感じました。2022/04/26
すばる
2
日本民藝館で見つけた本。口絵の写真で初めて木喰仏を知り、今まで知らなかったことを後悔した。その魅力はもちろんのことだが、埋もれていた木喰仏に光をあてた柳宗悦の功績は計り知れない。地元の住民にさえ忘れられ、埃をかぶった木喰仏を見つけたときの喜びはいかばかりであったろうか。人は情熱によって動く。柳宗悦の情熱に感動した。2018/08/12
うしろや
1
仏像彫った人で円空の次はと言われたら出てくる木喰。円空より丁寧に彫ってる笑。今一つ認知度は低い。私も実物は見たことない。沖縄除いて国内ほぼ回ってるみたいだけど。93歳まで生きてるし。著者は柳宗悦。殺されたそうえつではない、むねよし。民藝の発明者笑 芸術作品とはいわない、人が作ったものに光を当てた人のようだ。だから一連の妙な仏像、木喰が作ったものを探し回った。ようがんばりはった、木喰も宗悦も。2025/05/24
Yoshi
0
柳宗悦の木喰仏の発見における文章。 円空仏もだが木喰仏ときてこの手の一風かわった仏を掘る人はまだいる気がするのだが、発見に至っていないのは今では権威がないからかそれとも本当にいないのか等と空想を巡らせてしまう。 民藝運動後に見つかるそういったものがあると面白いのになと思いながら眺めていた。2025/06/02
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