立東舎<br> 文豪たちの友情

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立東舎
文豪たちの友情

  • ISBN:9784845632145

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内容説明

彼らの関係は、とてもややこしくて、とても美しい。
文豪同士の友情を追ったエッセイ集。

佐藤春夫と堀口大學は仲良しすぎて男色関係を疑われた?
室生犀星と萩原朔太郎の出会いは最悪だった?
国木田独歩と田山花袋は同居していてもケンカばかり?

最近再び注目を集めている、日本の文豪たち。学生時代、教科書で彼らの存在を知った、という人も多いでしょう。でも、教科書に載っているから、後世に名をのこしているから、彼らはわたしたちにとって遠い存在なのでしょうか?文学で成功してやろうとがんばっていた若き日の彼らは、本当はどういう人たちだったのでしょうか?

本書では、文豪同士の友情にまつわる逸話を紹介しながら、彼らの人生と作品に迫ります。第一章は自他ともに認める「ニコイチ」の二人を取り上げました。第二章は若くして亡くなった文豪を取り巻く人間関係がテーマです。友人を代表して一人の作家を選んでいますが、他にも親しかった人たちの言葉を多めにピックアップしています。第三章は絶交のあと和解するなど、一筋縄ではいかない二人の複雑な関係を浮き彫りにすることを目指しました。全13組の文豪たちの「友情の履歴書」を、ぜひ味わってみて下さい。文豪がテーマのマンガやゲームの元ネタもわかります。

目次

【目次】
まえがき

●第一章 永遠のニコイチ 自他ともに認める親友

佐藤春夫と堀口大學
「好き友」の条件/南の怠け者と北の美少年/男色関係と疑われる/恋人よりも友のなつかし/永く相おもふ/また会う日あらば

室生犀星と萩原朔太郎
「二魂一體」の親友/第一印象は最悪!/私の恋人が二人できました/芥川との三角関係?/中央亭騒動事件/死んだきみのはらがへる

志賀直哉と武者小路実篤
「友達耽溺」の人/相合傘で語り合った日/『白樺』創刊のころ/君も僕も独立人

川端康成と横光利一
葬式の名人/えらい男だから友達になれ/地球の人間にあらず/新婚旅行に誘われる/美しい手の記憶

コラム 旧制高校とは何か

●第二章 早すぎる別れ 夭逝した文豪と友人たち

正岡子規と夏目漱石
お山の大将の「畏友」/「子規」と「漱石」の誕生/鳴くならば満月になけ/「愚陀仏庵」の同居生活/僕はもうダメになってしまった

石川啄木と金田一京助
驚きの「借金メモ」/天才詩人の挫折と流浪/世界に唯一人の金田一君/ローマ字日記と春の圧迫/最期の言葉

国木田独歩と田山花袋
文学史を変えた友情/丘の上の家のライスカレー/日光のKとT/新しい文学の時代の到来/花袋は余の親友なり

芥川龍之介と菊池寛
美人と炭団/漱石との出会いと別れ/パンツを貸した男/田端の王様/『文藝春秋』創刊/ぼんやりとした不安

太宰治と坂口安吾
「生れて、すみません」の秘密/初めての心中/恍惚と不安の時代/放屁なさいました/無頼派の不良少年たち

梶井基次郎と三好達治
永久に滅びない本/月夜の雄叫び/「青空」創刊のころ/魂の秘密な隠れ家/薔薇の花ほど血を吐いて

コラム 文壇ケンカ事件簿

●第三章 愛憎入り交じる関係 ケンカするほど仲が良い二人

泉鏡花と徳田秋聲
対岸の二人/紅葉先生の玄関番/カラスもつつかない青い柿/十千万堂塾の共同生活/火鉢を跳び越して/和解のあと

中原中也と小林秀雄
僕達が見て来たあの悪夢/京都のダダさん/悪夢のはじまり/口惜しき人の生活/おたんこなすの顔/モモノハナ、海棠の花

谷崎潤一郎と佐藤春夫
芥川が嫉妬した友情/探偵か王様か小説家か/原稿用紙二十枚分の恋文/延長戦は詩と小説で/細君譲渡事件

コラム 孫が語る谷崎潤一郎と佐藤春夫

参考文献ガイド

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

103
後世に名を残した文豪達の複雑で愛憎織り込まれた人間関係を解説した「友情の履歴書」。読むと彼等が築き、育み、深めた友情に胸打たれます。派手に喧嘩しても関係が拗れて憎み合っても最後は許してしまう、そんな関係がとても美しい。現代はSNSで簡単に人と繋がれるけれど、それは淡い繋がりで本書のような濃密さはなくて。本当の友情、友達、親友の姿を彼等の交流に教えられるようです。切ないのは死去する友を見送る時。手向けられた弔辞はありっけの友愛を込めて言葉で飾られて。生きて、愛して、物語を書き綴った文豪達の姿に感動しました。2018/05/27

優希

57
文豪たちの交友関係が興味深かったです。意外な友情など知らないこともあり、驚かされました。文豪たちの関係性は知れば知るほど楽しいですね。2020/07/13

里愛乍

43
とっつきやすいイラストや相関図、思わず食いついてしまう目次の見出し、何より分かりやすく丁寧な文章で、興味は尽きない。彼らの生き様は当人の小説並みにドラマチックだったのだなと他の角度から見た他の人間関係性も知りたいと思えてしまう。巻末のガイドは紹介文も交えてあるので面白く、また読みたい本が増えました。筆者ご本人に纏わるあとがきもちょっぴり切ない。本当に届いているといいですね。2018/11/20

りつこ

41
とても面白かった。文豪たちの感受性の鋭さ、身勝手さが素晴らしい作品を生み出し、ここに書かれているような強烈な友情を生み出したのだろうと思うと、なにもかもが愛しい。以前は読まず嫌いをしていた谷崎の作品を最近大好きになったこともあり、ここに出てきた文豪たちの作品をもっと読みたい!と強く思った。未熟でもエゴイストでも身勝手でも、自分の気持ちに正直に生き文学を追求した文豪たちはすばらしい。それを許した時代も素晴らしい。道徳的にどうだこうだと言われる今の時代の方がよっぽど不自由でつまらない。2018/07/29

sachi

39
文豪の友情にまつわるエピソード集。昨今の文豪ブーム(?)でお堅いイメージは既にない先生方だけれど、またさらに好きになってしまいます。最強愛されキャラで困ったちゃんの太宰はここにも健在(笑)それにしても皆さん仲良しが過ぎる(笑)そして親友に先立たれた後がまた切ない。早世した文豪も多いなか、長生きした文豪は友人を失い、その遺族の面倒をみたり友人の名を残すために奔走したり…読み物としてもとても面白かったので第2弾も希望。2018/09/03

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