集英社新書<br> 広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM

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集英社新書
広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM

  • ISBN:9784087210316

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内容説明

憲法改正には、国会で3分の2以上の賛成と、「国民投票」で過半数の賛成が必要だが、2007年に制定された国民投票法には致命的な欠陥がある。ヨーロッパ主要国では原則禁止となっている「広告の規制」がほとんどなく、CMが流し放題となっているのだ。さらに日本の広告業界は、事実上の電通一社寡占状態にあり、その電通は70年にわたって自民党と強固に結びついている。これが意味することは何か――? 元博報堂社員で広告業界のウラを知り尽くす本間龍と、政策秘書として国民投票法(民主党案)の起草に携わった南部義典が、巨大資本による「狂乱」をシミュレートし、制度の改善案を提言する。 【目次】はじめに 本間龍/第1章 「国民投票法」とは何か/第2章 巨人「電通」が支配する広告業界のメカニズム/第3章 改憲プロパガンダが一方的に流れる「テレビCM」/第4章 ローカル局での「局地戦」とネットでの「ゲリラ戦」/第5章 CM全面禁止が基本の「海外の国民投票制度」/第6章 国民投票法をどう変えるか/おわりに 南部義典

目次

はじめに 本間龍
第1章 「国民投票法」とは何か
第2章 巨人「電通」が支配する広告業界のメカニズム
第3章 改憲プロパガンダが一方的に流れる「テレビCM」
第4章 ローカル局での「局地戦」とネットでの「ゲリラ戦」
第5章 CM全面禁止が基本の「海外の国民投票制度」
第6章 国民投票法をどう変えるか
おわりに 南部義典

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

糜竺(びじく)

46
憲法を改正するには国民投票が行われるわけですが、実はその国民投票法には重大な欠陥があるという事です。それはCMや広告の規制が無いと言う事です。それが、なぜ悪いのかというと、何か規制がなくで自由で素晴らしいように感じるかもしれませんが、結局の所、お金をたくさん持っていて使える側の方が大量に広告を打つことができ、国民達を印象操作出来ると言う事です。広告ごときに影響されない、惑わされないと思うかもしれませんが、広告代理店で働いていた本間龍氏によると、CMの影響力は想像以上にハンパないようです。勉強になりました。2018/08/06

AICHAN

36
図書館本。憲法改正には国会で3分の2以上の賛成と「国民投票」で過半数の賛成が必要である。これくらいは私でも知っていた。知らなかったのは、2007年に制定された国民投票法に致命的な欠陥があること。海外の多くの国では原則禁止になっている広告の規制がほとんどないのである。日本の広告業界は電通の1社寡占状態。その電通は70年に渡って自民党と強固に結びついている。自民党が改憲を本気で目指せば、金使い放題のCM流し放題で改憲広告が流れ続けるだろう。元博報堂社員で『原発プロパガンダ』の著者が問題点をえぐり改善点を示す。2018/12/23

hk

26
『安倍政権も佳境にさしかかり憲法改正がジワジワと現実味を帯びてきたが、憲法改正のために不可避な国民投票を規定している法律には不備がある。その不備とは「先進国ではおおむね禁止されている国民投票前の有償CMが日本では野放図となっている」ということだ。この不備を放置すれば、カネにものをいわせた広告宣伝によって国民投票は大きく歪められることになる』 これが本書の趣旨である。今まで思いもしなかった論点だったのですこぶる興味を引いた。確かに改憲か護憲かに関する議論は侃々諤々といった趣があるが、実際どのように国民投票が2018/11/18

coolflat

18
国民投票法、特にテレビCM規制について書いている。改憲賛成・反対の投票を呼びかけるテレビCMだけは投票日の14日前から放送が禁止されるが、それ以外の規制は一切ないという。ネットを含め、あらゆるメディアで広告宣伝活動が自由になり、改憲キャンペーンに注がれる「資金力」と「広告力」で国民投票の結果が左右される、と。また規制には抜け道があり、「国民投票運動のためではないCM」なら投票日14日以後も流せる余地を残している。勧誘の要素を含まないもの、つまりは自らの意見を主張するだけのCMであれば、規制対象から外れる。2022/06/15

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

17
▼著者は博報堂元社員と「国民投票」の専門家である。▼2007年に制定された国民投票法の欠陥について述べられている。「広告の規制」が緩く、世論を誘導するようなCMが流し放題となっていると指摘する。▼団体の「資金力」と「広告力」の差が、投票に対する影響力の差につながるという点、確かに非常に危険なことだと感じた。▼この新書で述べられていることは、広告主に支えられている新聞・テレビは絶対に報じないだろう。個々に書かれている事は、学校の公民科の授業で教えておく方が良いと感じた。2023/07/11

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