中公新書<br> 周―理想化された古代王朝

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中公新書
周―理想化された古代王朝

  • 著者名:佐藤信弥【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 中央公論新社(2018/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121023964

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内容説明

紀元前11世紀から前256年まで続いた古代中国の王朝である周。太公望や周公旦などの建国の功臣、孔子や老子といった諸子百家、斉の桓公ら春秋の五覇などが名高い。また、封建制や共和制など、周に由来するといわれる政治システムは多く、孔子ら儒家によって理想化されて伝えられてきた。では、その実態はいかなるものだったのか。近年、陸続と発掘される金文や甲骨文などの当時の史料から、王朝の実像を再現する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

78
伝世文献に依存しがちな西周の歴史だが、近年新たに出現した金文や竹簡資料によって、より史実に近い歴史像が得られるようになった。だが人名の表現が文献と出土資料とで、余りに違っていて驚く。勃興から滅亡まで、800年もの隔たりがあると、伝承が古くても丸ごと信頼できないのも無理はない。われわれが鎌倉幕府のことをどれだけ知っているかに喩えてみればわかる。2019/01/27

かごむし

46
青銅器に鋳込まれた金文などを頼りに、周という時代をたどる。主に光が当たっているのは、周の創業から幽王の時代まで。則ち、史記などが俄然面白くなる春秋戦国時代になる前の周の時代。史記などで語り継がれている歴史を、実際のところはどうだったんだろうね、という視点で語られている。重層的であった。およそ3000年前のことが、ここまでわかるなんてすごいなあと思ったあとに、周王朝の骨格が見えてくるから、そのあとの春秋戦国時代が、諸侯とのつながりが見えてきて新しい風景になる。古代のことをロマンでは語らせない面白さがあった。2016/12/28

著者の生き様を学ぶ庵さん

45
西周の始まり(文王・武王・周公旦)から春秋・戦国の東周までのあやふやだった時代を埋めてくれる良書です。途中、斉・晋・鄭・中山国など懐かしい地名が出てきます。斉の太公望・桓公、晋の文公(重耳)・鄭の子産などの他、宮城谷昌光先生も登場します。著者はこれから大物学者になるかもしれません。2016/11/26

terve

33
やっと読了できました。周王朝といえば、春秋戦国がメインのように思われていて、前期がおまけという扱いだと筆者ははじめにで書いていました。しかし、封神演義や周公旦など、私にとっては前期がメインです。とはいえ、きちんとした歴史は知りませんでした。祭と祀をキーワードに青銅器文字を読み解きながら周王朝を紐解いていきます。非常に堅実な一書ではないでしょうか。2020/03/14

kuroma831

28
めちゃくちゃ面白かった。春秋戦国時代の前史にされがちな西周にフォーカスし、史記や詩経、礼記のような後代編纂された伝世文献資料だけでなく、同時代資料である金文資料を中心に西周期を語る。文王武王に意識しがちだが、康王期も三監の乱や周公の輔弼なども史記の記述と同時代資料とで違って面白い。金文から当時の封建の様子や祭祀の様子が分かり、軍事王と祭祀王の性質を持つ位置付けが分かる。また、西周の祭祀は殷代甲骨文からも同様の内容が分かるものもあり、西周期中期に至るまで殷代の影響は残っており、殷周革命の連続性も示唆される。2025/01/15

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