内容説明
とある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者は別れ際に、これからも創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが……。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは? 気鋭の著者が描くミステリ長編。/解説=宇田川拓也
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
66
気になって。読み始めて、失敗したか?と思った。詩人なんてよくわかんないし、微妙に厨二臭い文章かと思って。どうしても読み飛ばさない。しっかり一気に読まされた。結論は出たような出てないような。それでもなんかよかった。詩と死。それでも僕は。。。終章で明らかになる探偵くんの真実。なかなかに重いけど、棗の存在が私には救いだった。うん、結果読んでよかった。面白いとは言えないけど。2018/05/08
佐島楓
63
ただただ、悲しかった。私もあきらかにあちら側の人間であることが突きつけられたからか。わかっていたことなのだが……。生きづらい人間は皆、ある意味で詩人なのかもしれない。2018/05/11
まりも
44
これは創作に取り憑かれた人の生きた軌跡を辿り、その死の真相に迫る物語。なんて辛い本なんだろう。どこまでも重苦しく、救いも無い。何となく片手間で読む事を赦さず、真正面から創作に取り憑かれた者たちの生きざまをを見る事になる。それだけに読後の疲労感は凄まじいが、自分には決して真似する事の出来ないその生き方は鮮烈に印象に残った。暗くて重苦しいし、読んでいてしんどくなる。だけど決して目を離すことが出来ない。そんな力のある1冊でした。ミステリーだけど、それとはまた違った感じだ。2018/06/17
Yuki
34
SNSコミュニティ「現代詩人卵の会」のオフ会。9人が集まって10年後の再会を誓ったが、当日集まったのは5人で、残りの4人は自殺などの不審死を遂げていた。メンバー最年少の「探偵」こと草間は4人の死を追うことになる。学生時代から「詩を詠む人って創作する人のなかでもとりわけめんどくさい」と思っていたし、そのめんどくささがよく書かれていて流石だと思う。私は大して創る人ではないので残された家族の気持ちのほうに共感しがち。ミステリというより、創る者の業のほうが印象に残った作品。2018/05/08
coolgang1957
24
キライですこの本。詩と死、発音が同じでも並べてええもんじゃ無いと思う。死なないと完結しない詩なんかあるはずはないし、そんな詩は認めたくはない。書けなくなったらそのうちなんとかなるよって構えてください。お願いします m(_ _)m …マイペンライ2019/07/27