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内容説明
母親を亡くし、祖父母と暮らすことになった中学2年生のトーコ。ある日、トーコがママの部屋を整理していると、ノートの間から何かがするりと抜け落ちてきた。それは、見覚えのない一枚の絵ハガキで、トーコが知らない差出人からだった。その後、トーコは「トーコに見せたい」と、ママが行きたがっていた場所があることを思い出して……。その場所を探すことにしたトーコは、叔母の千紘ちゃん、同級生の穂香や北沢など、周囲の優しさにふれ、成長していく。「べんり屋、寺岡」シリーズの著者書き下ろし作品。〈目次〉1.戻れない庭/2.空耳と現実/3.ママのノートとわたしの夏服/4.穂香の絵と星占い/5.パパからの電話/6.途切れた虹/7.パンケーキと千紘ちゃんの涙/8.やさしい風が吹いた/9.緑の瞳とネックレス/10.雪が咲く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
93
85/100点 初読みの作家さん。二人で暮らしていた母親を亡くした少女の葛藤と成長を描いた物語。自分自身の存在意義に悩む主人公の思春期特有の心の揺らめきが見事に表現されていて、読んでいて自分も中学生の頃母親に"生んでくれと頼んだことはない"などと悪態をついたことが思い出されました。祖母や叔母や友達など周囲の力も借りながらも、主人公自身の自分の力で前に進んでいく姿に共感を覚えました。後半が少し駆け足になってしまったところが残念ですが、表紙のイラストのような爽やかな読後感で、心に残る素晴らしい作品でした。2018/06/11
はる
64
母親を亡くし、祖父母と一緒に暮らす中学2年生のトーコ。ある日、「トーコに見せたい」とママが言っていた場所があることを思い出した。それはどこ…? 母親を失い、自分自身の存在に悩む少女の心の揺れが繊細に描かれる。親友との友情、初恋の少年とのドキドキする会話。中山さんは思春期の揺れる想いを描くの上手ですね。爽やかな読後感。ただ後半はやや駆け足気味なのが惜しい。2018/05/08
へくとぱすかる
63
大人の小説に近い。児童文学にありがちなラストからは、一歩距離を置いている。両親の離婚と作家だった母の死の後、生きる意味にとまどうトーコ。家族の人生が変わった理由に、子どもの頃の母へのいじめが関係するという不条理には、ため息が出る。人間はささやかなことでも傷つくことがある。それを理解しない他者の行為は、いわゆる社会悪とは別の意味で許せないが、今のトーコの周囲には、やさしい祖父母も友人もいる。母が見せたかった風景を見に行くことが物語のクライマックスとなる。そんな流れも大人っぽく、作家としての母の作品のよう。2020/12/20
あつひめ
62
当たり前が当たり前でなくなる。親子3人の生活、大好きな母との生活。いつも愛情いっぱいで包み込んでくれていた人を失うことの不安や寂しさ。トーコがその全てを胸の奥にしまい込んでいるようで切なかった。自分の知らない母の若い頃を知ることで母との未来は増えなくても母の昔が増えていく。それもありなのかもしれない。誰かとの思い出を聞くことで母の過去が厚みを増すから。北沢くんの自分の成長を見せたいという気持ちは胸に響いた。こんな気持ちを持てる男の子とても素敵だと思う。胸がキュンとしてしまった。表紙の緑がとても心にしみる。2018/07/20
itica
61
ずっとずっと続くはずだった幸せな時間が途切れた・・ふたり暮らしだった母が亡くなり、祖父母の家に移ったトーコには様々な思いが渦巻いて、処理しきれずにいる。中学生の少女が受け止めるには、あまりに大きく重い。読んでいて切なかった。幾ら周囲が気遣ってもトーコ自身で乗り越えなければ前には進めない、その事実が辛かった。しかし最後の場面で、きっとトーコなら大丈夫だと確信が芽生えてほっと一息。児童書とは言え、心に残る話だった。 2018/06/01
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