新潮文庫<br> 電車道(新潮文庫)

個数:1
紙書籍版価格
¥572
  • 電子書籍
  • Reader

新潮文庫
電車道(新潮文庫)

  • 著者名:磯崎憲一郎【著】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • 新潮社(2018/04発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101390321

ファイル: /

内容説明

ある男は家族を捨て洞窟に棲み着き、やがて小さな塾を始める。またある男は選挙に落選し、雑木林を飛ぶムササビの幻影と恋の傷を抱えたまま、電鉄会社を興す。ふたつの破格の人生が交錯する高台の町を、大震災、敗戦、高度成長と、電車は何代もの人生を乗せて絶え間なく通い、町と世界を変容させる。東京近郊の私鉄沿線の百年の変転に、この国と私たちの人生の姿が立ち現れる魅惑の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

96
☆7.0(5点満点なのですが) この『電車道』は生きて動いている物語だ。 電車は常にレールの上を走り続けている。 町は開発され発展を遂げている。 時間は後戻りせず歴史を確かに刻んでいく。 なにより人々は、 この本の中に“文字”としてあるだけでは飽き足らず、 それぞれの人生を背負いながらも、縦横無尽・思う存分に駆け回り、この本の中に、住人となって暮らしている。2021/04/06

to boy

22
なんとも感想を書きにくい話。ストーリーというものが無く、二人の男を主軸とした時の流れが脈略なく描写されその隠し子、孫のはなしなどが延々と語られていく。ちょっと退屈だけどなんか読み続けたくなる不思議な魅力も持ち合わせたりしていた。世代なんてしょせんこんな風に脈絡なく進んでいくものなのかもしれない。2018/02/11

keiniku

8
磯崎憲一郎、2冊目。日本蒙昧前史も「今まで読んだことのないタイプ」の面白さだが、 こちらも。 時代を超えて生きている鳥からの鳥瞰図みたいな視点から、急降下して一人の人生の断片を追い、それが他の人間と直接的にまたは観察的に繋がって、 一人ひとりの小さな生が、大きな人の営みとなる…  また他の磯崎作品も読みたくなった。2020/09/22

shouyi.

8
「本の雑誌 増刊文庫王国」で紹介されていた。 磯崎憲一郎さんの本はは初読だが、本当にすばらしい小説だった。電車の歴史を縦糸にしながらも描かれているのはいきいきとした人間の姿。しかもその登場人物たちの魅力的なことといったら…。磯崎さんの筆力を感じずにいられない作品。2020/03/30

ひでお

5
鉄道会社を設立した男と、私立学校を作った男の2人を軸に明治の終わりごろから現代までの大河ドラマのような作品。数多くのエピソードがちりばめられていますが、すべて三人称で外から眺めたような語り口なので、まるで歴史書を読んでいるような気持ちになります。その中で時代に翻弄されつつも立ち向かうような登場人物のセリフが、なんとも絶秒です。文章をじっくり味わいながら読む本なのかなと思いました。2018/03/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12365997
  • ご注意事項