内容説明
日本人の「いのち」の源は山にある。
縄文以来、この列島の住人は山の霊力を崇め、山に育まれて生きてきた。
大和の神奈備山から山岳信仰の霊場まで、全国の名山・霊山をめぐり、
日本を代表する宗教学者が日本人の信仰の本質を探る。
なぜ私たちは山へ登りたいと思うのだろう。
山を眺めると懐かしさを感じるのはなぜだろう。
世界でも類を見ない日本人のユニークな宗教観の本質。
現代をより良く生きるための指南書。
●その昔、山は動物であった
出羽三山/宮沢賢治/三内丸山遺跡
●オロチの棲む山
神奈備山/鳥海山/見るなの座敷/巨木信仰
●神のいます山
白神山地/岩木山/高千穂峰/富士山
●験を修める山
湯殿山/葛城山/役行者/空海/マタギ
●魂が蘇る山
熊野/立山/恐山/白山/御嶽山/スサノヲ
●人と山とのバイラテラリズム
日本的一神教/山と日本仏教/マイ・マウンテン探し
●山の祈り
利他行としての山行
山岳信仰と日本人の心の文化を書き著した名著「山の霊力」(講談社選書メチエ)を
加筆・修正、新章(山への祈り)を追加、写真を全て刷新するなど大幅に改訂。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
49
山を崇拝の対象としてとらえ、山を信仰することについて述べられた本です。山に神が宿るとか、山を修行の場所と考えるのはなぜか。それは山の持つ霊力だそうです。山を尊敬し山を大切にすべき精神は、古くから日本人の心に宿る固有の精神です。私は週末を待ちかねて山歩きをします。山を歩くとストレスが吹っ飛びます。それも山の霊力だそうな。山を自然を大切にしなきゃ!。2019/09/03
梵
1
宗教的世界観を信じることができないのは、自分が無知で未熟だからだと思う。 唯物論を土台に巨大構造を作り上げてしまった人類。そこには科学万能のイデオロギーが浸透しているが、それが人間の想像力を鈍らせ、古代から続く日本人の誇るべき精神文化までも静かに破壊している。 著者の言う通り「次世代文明は唯物論的世界観を脱却して、(中略)ホリスティックなコスモロジーを持ち合わせて欲しいものだ。」!!2025/05/07
まちゃみ
1
今年は霊山 鳥海山に挑戦するので再読。 古代史的な要素も多く、数年前の一読目は噛み砕けなかったが、昨年月山に登ったり山伏の世界に触れたことから感じた感覚から少し近づけたかな? とは言っても一言一言頭を使う哲学書だ。自然の中、感ずるものがある度、開いてみたくなる本だ。2024/07/14
saba
1
文明以前、山はまさしく「生きて」いた。そうでなくて何故あのように緑の葉が燃えるように真っ赤に色づいたり、全て落ちたと思えば一面に花開いたり、突如火と煙を噴出させたりしようものか。おお成程だな!具象としての山を生ける神と理解した説には共感する。山や滝、岩の霊性が好きだ。終盤ちょっとトーンが違うが、これも言いたいことなのはわかる。2022/10/26
Junko Yamamoto
0
登山をスポーツとする好日山荘で買った。 最近山に取り憑かれている。作者のエネルギー、山愛が行間より伝わるつたわる。冷静でもなく体系的でもないが、強く山の霊力が伝わる。2018/08/04
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