内容説明
店を開くも失敗、交通事故死した調理師だった父。女手ひとつ、学食で働きながら東京の私大に進ませてくれた母。―その母が急死した。柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の惣菜屋で、買おうとしていた最後のコロッケを見知らぬお婆さんに譲った。それが運命を変えるとも知らずに……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
1316
2019年本屋大賞にノミネートされたので、読みました。ノミネート作7/10、小野寺 史宜、初読です。青春感涙作、今時、柏木 聖輔のような人間はいないと思いつつ一気読みしました。佳い作品だと思いますが、大賞を獲る程の勢いはないので、6~8位レベルではないでしょうか?続編もありそうなエンデイング、著者の他の作品も機会を見つけて読んでみたいと思います。2019/01/26
ヲム
1274
ひとはひとりじゃ生きていけない! まさにこの小説が教えてくれました。 ひとは揚げたてのコロッケの様に温かい!!2019/05/16
zero1
1208
この世は思ったより悪くない。人は誰かと関係を持ちつつ生きている。当たり前のことを孤独な青年を描くことによって表現した作品。主人公は父を失い東京の大学へ進学。しかし母も急死し大学を中退。あるきっかけから商店街のコロッケが売りの惣菜店でバイトすることに。店主や先輩、高校の同級生との関係を地味に描く。正直、文章が上手いわけでもないし盛り上がりがあって強く感動するわけではない。それでもこの作品が強く支持されるのは不遇の主人公に共感するから。19年本屋大賞2位は【支える、支えられる】ドラマによるもの。読んで損なし。2020/04/01
ウッディ
1150
父そして母を立て続けに失い天涯孤独になった柏木聖輔。大学を辞め、途方に暮れる中、一つのコロッケがきっかけで、商店街の惣菜店で働き始めた聖輔は、周囲の温かい人達に助けてもらいながら、自分の歩むべき道を見つける。聖輔の正直で優しい人柄が、独特のリズムで綴られいてとても心地良い読書でした。自分の境遇に甘える事なく、自分の足で前に進み、他人の事を思いやれる彼の優しさを分かってくれる人がいるのは、世の中捨てたもんじゃない。青葉との恋の始まりを予感させるラストも爽やかで、さすが本屋大賞第2位。とっても面白かったです。2019/08/04
青乃108号
1039
若くして両親を亡くし、兄弟もなく1人で生きる事となった若者の話。読んでいて違和感を感じるのはセンテンスの短さ。ぶつ切り。普通はこれとこれは繋げて一文にするよな、そうした方が自然だしリズムも良いし。歯切れが良く読みやすいが、余韻が残らない文章でもある。若さの表現の為か。物語の方は怪しい親戚が何度も金をタカりに来て嫌な予感がし始め、あまりに何度も来て少し都合したり最後は断ったりしていた為、これは殺されてしまうと悲観的に考えてしまったがそうはならなかった。俺は何につけ悪い方に考えてしまう。2023/02/26
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