内容説明
錆びた看板に初めて魅かれたのは、能町みね子が中1の時だった。そんな著者が全国ローカル線を計画性不十分にめぐるとどうなるか。「平成22年2月22日の死闘」「琺ホーロー瑯看板フェティシズム」「あぶない! 江ノ電」など、タイトルからして珍妙な乗り鉄イラストエッセイが出来上がるのです。本書を読めばあなたも鉄道旅に出たくなる……たぶん!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
53
面白かった。単行本は2010年刊。車両よりも駅舎や周辺のお店などに可愛さを見つける鉄道紀行。根が廃墟好きでもあり、赤錆びた駅名看板みたいな古い物にときめく。但し「レトロ風」は苦手。平成8年8月8日に八王子など8の付く駅を巡り日付入り切符を買う。朝8時8分の時刻入りも買う。これを何年もやる話は笑った。ウケ狙いではなく、素直に好奇心のまま動いている感じが素敵だ。江ノ電で「玄関から出ると線路」の家を調査する話も、素朴な楽しさが伝わって来た。現地の人とやり取りはするけど、深入りして行かないのもリアルで良い。2018/10/24
いっちゃんず
31
鉄道マニアである事を頑なに否定する作者による鉄道エッセイ。文章に加え挿絵多数なのはさすが(自称)漫画家。内容は、濃い。どこからどう見てもやっている事は鉄道マニア。そして、いい意味で、変。鶴見線国道駅、西武多摩川線、岳南鉄道、京葉線二俣新町駅、ゆいレール、北海道の一部廃駅廃線になってしまったホーロー駅名看板の諸駅、などなど。ああああ行きたい行きたくなる。鉄分の多い方はじっとしていられなくなる事請け合いな危険書物。2018/06/09
piro
30
タイトルに惹かれ「うっかり」購入。所謂「鉄」モノとはテイストが異なるものの、十分マニアックな内容。内容は軽くて薄めですが、読んでいてぶらっと鉄道旅に出たくなる本でした。行ったことがない高知(土佐電鉄)が何だか面白そう。2018/10/08
なにょう
29
【購入】ひゃっほーい、文庫化ホヤホヤ。鉄道旅のお供に好適な一冊。★今はどこもかしこも更新されることが多いが、古い物、ちっぽけな物も良いね。新幹線も良いが百円、二百円で使える市電も良いね。★車両や線路意外にも注目してみよう。駅名表示や掲示はどの駅も違ってどれも少しでも皆が使いやすいように、安全であるようにと気持ちがこもっているように思う。★紀行文などは地図があるといいと思うけど、この本は地図の掲載もぬかりない。2018/04/30
ケロコ
28
【図書館】これはすごい!好きじゃないとここまでできないよなぁ。鉄道好きということだけでは取り組めないと思います。とにかく何にでも細かいこだわりが強い能町さん、表現が、面白いからエッセイとしてもなかなかどうして楽しませてくれます。挿し絵も素敵。面白くて満足の1冊でございました。2018/09/04