講談社選書メチエ<br> AI原論 神の支配と人間の自由

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社選書メチエ
AI原論 神の支配と人間の自由

  • 著者名:西垣通【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 講談社(2018/04発売)
  • 5/5はこどもの日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062586757

ファイル: /

内容説明

第三次ブームを迎えたAIの進化は、われわれの生活を避けようもなく変えつつある。自動運転、投資相談、医療診断など、以前では想像もできなかった領域にAIが入り込んでいく中で、30年以内にAIの知性が人間を超越する、という「シンギュラリティ(技術特異点)」仮説を唱える専門家さえいる。われわれを待っているのは「薔薇色の未来」なのか? 半世紀にわたってAIを間近で見てきた第一人者が投げかける大切な問い。

目次

まえがき
第一章 機械に心はあるのか
1 AIブームふたたび
2 生命と機械
3 ロボットという疑似生命
第二章 汎用AIネットワーク
1 脳型コンピューティング
2 シンギュラリティ仮説
3 クラウド・コンピューティング
第三章 思弁的実在論
1 相関主義と実在論
2 宇宙の安定性の根拠
3 物質・流動・生命
第四章 生命とAIがつくる未来
1 相関主義への疑問をめぐって
2 自由意思と責任のゆくえ
第五章 AIと一神教
1 救済/創造/ロゴス
2 選民による布教と情報伝播
3 一神教は超克できるか
第六章 AIの真実――論点の総括

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

146
最近AI本を読むことが増えています。西垣 通、初読、良く知りませんが、コンピュータ、AIに精通した凄い先生のようです。AIを学術的、哲学的、宗教学的に考察した本、かなり高尚な内容です。著者の主張でも他のAI本同様、多種多様な問題があり、そう簡単に理想的なAIは、出来そうもありません。サブプライムローンも、AI的な金融工学が産み出したことを想い出しました。2018/06/16

井月 奎(いづき けい)

40
AIとは「人工知能」であり、それが発達して到達する境地、シンギュラリティは「AIが自らよりも優れたAIを作り出す」状況のことであるそうです。シンギュラリティは到達の可、不可が意見の分かれるところだそうですが、まあ、そこに至るとして、その状況がもたらすものは人の世を激変させるでしょう。コンピュータに「心」はありませんのでシンギュラリティの状況下で社会は成り立ちません。心がなければ、それは社会ではありません。社会を保つのか、想像不可能なシンギュラリティ世界へと向かうのか、決めるのは自らの思考によるのです。2020/10/03

ころこ

37
第3章が文理融合の新たな哲学を目指したメイヤスー『有限性の後で』について書かれている様に、著者の眼目も文理融合が「強いAI」実現の一助になるとの確信に満ちている本です。著者はAI研究に懐疑的にみえますが、文意からは既存の研究は真に考えられておらず、自分こそがAIについて考えているからこそのAI懐疑論なのだと言いたげです。後半に一神教の議論がまたもや登場します。主体の無意識に自覚的でない論者を脱落させるには、文系的で抽象的な議論を吹っ掛けるという戦略はAIの時と同じです。今回もまた心脳問題も登場します。2021/04/03

Bartleby

15
これまでのAIブームを静観してきた著者が、いくらかは都市伝説に化してさえいる昨今のAIブームに対して、ちょっと落ち着けよ、と言っている本。本書を読むと「シンギュラリティ」がノストラダムスの大予言のような大言壮語に思えてくる。ノストラダムスではないが、著者はカンタン・メイヤスーなどを参照し、シンギュラリティの背後にある一神教的世界観とメシア思想について分析している。このくだりがすこぶる面白かった。2023/09/12

またの名

15
思想面から迫ったAI論それも分析哲学系ではなく、大陸現代思想系からのアプローチ。オートポイエーシス理論で考えると外から内部の思考過程を解析したり操作できる他律システムには自由も責任も認めにくいが、外からは分析できないほど不可知な自律システムと見まがう複雑性を獲得したとき、擬似的にでもAIは生命体と同等。最新の思弁的実在論を要約しつつ自然科学万歳で人文学軽視なメイヤスーの理解とは異なり、客観的実在に留保を付ける相関主義はむしろ現代科学の主流だと指摘。一神教論とかはアレだけど思想が時代と格闘してるのは分かる。2019/01/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12699102
  • ご注意事項