内容説明
なぜ昆虫は地球上でもっとも繁栄しているのか?擬態や変態、社会性など、驚くべき形態や生態をもつ理由とは?脊椎動物中心の生命史では見えてこなかった、かつてない進化の物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
94
知的好奇心を満たしてくれるこうした著作を読むことを楽しみにしています。著者の処女作とのことですが、50年以上昆虫に魅せられている昆虫愛の感じられる素敵な専門書です。タイトルは大袈裟過ぎますが、5億年以上前から地球に生息し、何千万種にもわたり、地球の生態系に多様に貢献している昆虫は非常に有用な生物だと思います。それに対し人類は、史上最強・最悪の害虫です。本作は、人類に対する警鐘の書としても読めます。いつか昆虫天国エクアドルに行ってみたいなぁ!2016/08/27
GASHOW
9
人類は昆虫の全てを把握しておらず、名前がついている種のほうが少ないようだ。甲虫数が多いことがわかっていて、地球は甲虫の星かもしれない。「昆虫は最強の生物である」という日本の副題と内容があってないようだが、下に「PLANET OF THE BUGS」となっていたのでその通りだった。日本語のタイトルをつけている人は内容を知っていてこのタイトルにしたのか、読まずにつけているのか知りたくなった。本は面白かったです。2016/09/26
miho
6
カンブリア爆発から4億年以上、多くの生物が滅んだベルム紀やジュラ紀をいかに乗り越えて繁栄してきたのかがよくわかって面白かった。人間が滅亡したらほとんどの生物にとって環境がよくなるが昆虫が滅びると陸上の環境は大混乱におちいるという言葉に納得。2017/11/30
スプリント
6
脊椎動物とは異なる進化をたどった昆虫の進化史が学べます。変態や擬態、寄生といった昆虫のもつ生態をどのように身につけて行ったのか。恐竜との関係性など知らなかった知識が多く楽しめました。2016/08/14
人生ゴルディアス
5
昆虫を主軸にした地球の歴史。それにしても化石でしか残ってない生物について、前足で捕まえて捕食、とか、脱皮は定期的に何回かする、とか、音を出して云々とか、なんでわかるの? と不思議になる。あるいはハルキゲニアの例からして、スコラ学的議論の果てにでっちあげられてるのかなと思わなくもない。原生生物についてもたくさん解説があって、とても面白い。スパイダーマンは手首から糸を出すので、シロアリモドキマンが正しいらしい。聖書のマナはどこかで読んだはずなのに忘れていた。神の恵みはアブラムシの尻から出る。2017/07/25