女たちの王国 ~「結婚のない母系社会」中国秘境のモソ人と暮らす

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女たちの王国 ~「結婚のない母系社会」中国秘境のモソ人と暮らす

  • 著者名:曹惠虹/秋山勝
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 草思社(2018/04発売)
  • ポイント 19pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794223166

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内容説明

ヒマラヤ東端、中国雲南省と四川省の境にある美しい「ルグ(濾沽)湖」のほとりに、「モソ人」と呼ばれる純粋な「母系社会」を守り続ける人びとがいる。国際ファンド系弁護士の職を辞した著者は、訪れたその地にすっかり魅せられ、ついに家を建てて自身が暮らすまでになった。祖母を中心にその娘、孫娘と代々直系の女性が「家長」となる「家母長制社会」。「結婚」「夫」「妻」「父親」の概念が存在せず、男女は「走婚」と呼ばれる自由恋愛を通じて子をなし、すべての子は母系の家に暮らし、成長し、老いていく。中国でも他には存在しない、モソ人母系社会の新鮮な驚きに満ちた日々。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

29
ジェームズ・C・スコットが『ゾミア』で描いた中国奥地の僻陬の地、平地の父権制資本主義から隔絶して自由たりうる場所、本書に描かれたのはまさにそのような場所に生きる人々だ。観光とインターネットのせいでその母系家族のシステムは風前の灯火とはいえ、我々が当然の前提としてきた結婚制度が何の根拠もなく、男が女を支配するための道具でしかなかったことを教える。読むにつれて母系のほうがはるかに合理的に思えて、男たちも萎縮するどころかむしろ生き生きと生と性を楽しんでいるように見えるのは、何枚かのカラフルな写真からもうかがえる2022/03/10

noko

8
雲南省ルグ湖周辺にモソ族が住んでいる。モソ族は、今も母系社会を続けている。モソ族は13才で成人で、民族衣装を着る事を許される。モソ人の男は生涯自分の母方親族と暮らす。自分の選んだ女性と自由に関係を結べるが、結婚も娶ることもない。自分の愛人が産んだ子への責任はなく、子供に自分の子だと主張もしない。夫の義務も父の義務もない。若い娘は成人すると自分の部屋を持つ。ここで愛人と自由恋愛をする。走婚と呼ぶが、それも自分次第で終わらせることができ、結婚はない。生まれた子は母方一家に加えられる。世界には色んな文化がある。2023/08/24

Yuzupon

8
中国辺境の母系社会のドキュメンタリー。 著者はモソ人として認められるどころか地域の名士の立場におさまる域に達しており、フィールドワークのレベルはすごく高い。読み物として面白い。ただ、著者のフェミニズムへの傾倒が強く、そのフィルターを通して万事が語られるのは興味がないと息苦しいかも。中国の家父長制への恨み節は、多分事情は日本とだいたい似ているんだろうね。 モソ人もまた経済発展と観光地化の波に飲み込まれてしまい、外の世界のやり方を格好よく思うようになっているようだ。特異な文化は終焉をむかえつつある。2019/03/07

はる

6
女性こそ命を産み出す唯一の存在で、もろ手をあげて子供の誕生を祝う権利はどのような女性にも授けられている。これは女性だけに約束された特別な地位なのだ。出産という営みでは、男の役割などたかがしれている。誰もがめいめい一人で分娩に向かい合うなら、ある意味では女性という女性は誰もがシングルマザーと言えるだろう。そして、シングルマザーと彼女の子供に最後まで手を差し伸べるのは、彼女の実家に課された義務であるのはまちがいない。2019/01/31

Miki Shimizu

5
いつもの清風堂書店のTwitterにやられて購入。母系社会、女の子が生まれたら喜ぶ。男の子もないがしろにはしない。女の人はバカにされたりしないで育つから、自信を持って生きていける。なんか、夢みたいな話。でも、そのステキな場所も、観光地になって、いろんな人が来ることで、どんどん昔ながらの生活が薄れていく。うー。2018/05/27

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