内容説明
分権改革の課題のひとつは法令をいかに地域特性に適合するようにするかである。その手段である条例に関して,憲法94条を踏まえた解釈論,自治体の自主的な条例対応を支援する理論を提示するとともに,法律の実施における考え方を事例に則して議論する。
目次
第1部 分権条例の基礎理論
1 法律改革と自治体
2 基準の条例化と条例による追加・加重,上書き権
3 分任条例の法理論
4 法律実施条例の法律抵触性判断基準・試論
5 自治立法と政策手法
6 自治体政策法務の今日的意義
第2部 枠付け緩和方策の評価
7 「義務付け・枠付けの見直し」は自治を進めたか
8 2つの一括法による作業の意義と今後の方向性──「条例制定権の拡大」の観点から
9 「個性を活かし自立した地方をつくる──地方分権改革の総括と展望」を読む──枠付け見直しの観点から
10 枠付け見直しの動きと条例による決定
第3部 分権改革と地域空間管理
11 地方分権時代の環境基本条例の意義と機能
12 地方分権推進と環境法
13 地域空間管理と協議調整──景観法の7年と第2期景観法の構想
14 空家法の制定と市町村の空き家対応施策
15 空家法制定後の市町村空き家行政