内容説明
雪斗には気になる人がいた。芸術学科の小海澤有紗。無表情、無感情で人と関わろうとせず、奇行も多いが、落書きすら数百万の価値がある百年に一度の天才。そんな彼女となんとか友達になった雪斗だったが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ami*15
47
同じ世界にいるはずなのに小海澤さんには違った世界に見える。「次元」とはどういう意味なのか、雪斗がよく耳にした「ごんごんじー」という意味深な言葉は何なのかなど気になる点が多く、どんどん先に進みたくなるような物語でした。小海澤さんが見る一味違った世界、それはクラクラしていてどこか現実離れしているような不思議な世界のように見えた。小海澤さんと次元に関する秘密を知ると彼女の寂しさも人付き合いが苦手な理由もよくわかりました。あと最後のイラストにはやられた。あのイラストこそがこの物語の全てではないかと読後思いました。2018/05/10
まりも
36
無表情、無感情で人と関わらない小海澤さん。周囲から変人扱いされる彼女のことが気になる雪斗と小海澤さんの次元違いのラブストーリーここに開幕。変人とのただのラブコメかと思ったら、そんな事はなかった。ただのコミュ障だと思っていた小海澤さんの秘密や、彼女の抱えていた想い。そして彼女の事を理解し、傍にいようとする雪斗の想い。そんな彼と彼女が迎えた結末はとても素敵でキュートでした。例の小海澤さんが描いた絵画なんてね、もうニヤニヤが止まらないってもんですよ。奇妙奇天烈だけど、すっごくキュンとする。そんな1冊でした。2018/04/01
よっち
35
無表情・無感情で人と関わろうとせず、そこかしこに絵を書き散らす芸術科の天才・小海澤有紗。変人扱いの彼女を気にかける雪斗が関わってゆくうちに、彼女が抱える秘密に巻き込まれてゆく青春小説。コミュ障なオミサワさんと些細なやり取りを重ね交流を深めてゆく地道な努力が微笑ましくて、文字通り次元が違う秘密を知っても彼女を理解し共にあろうとする雪斗。大切だからこそ苦悩するオミサワさんでしたけど、彼女の想いを垣間見た雪斗と相変わらず難しい境遇でも確実に変わりつつある彼女が迎えた素敵な結末には、ついニヤニヤしてしまいました。2018/03/28
かわゆきか
26
次元が違うって、変人芸大生に対するものの例えじゃなかったのか。最初にみんなの前で泣き出した理由もなるほど。思ってたストーリーと違ってたけど、それがむしろ良かったし、面白いミステリーだった。なるほど、主人公があの絵の意味も分からず、直感的に惹かれた訳ですね。2018/04/22
サキイカスルメ
20
ラストのイラストは先に見ちゃダメだからね(パラ読みで見てしまった人より)大学二年で芸術家に足しげく通う雪斗と、百年に一度の天才であり奇妙な言動で有名な小海澤さんのお話。素晴らしく好みでした。すっごく面白かったです!読み始めて、変わってる子との交流だね、頑張れ雪斗!→あれれ、これはホラー……?ちょっと怖いのですけれども→次元が違うだけでラブコメじゃないか、そしてバカップルじゃないか、までの流れ(笑)諦めず好きな気持ちを貫き通す雪斗が、よかったです。ラストのイラストは素敵すぎるの一言に尽きます。2018/04/23