忘れられたベストセラー作家

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忘れられたベストセラー作家

  • 著者名:小谷野敦【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • イースト・プレス(2018/04発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781616476

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内容説明

文学史に名を刻む、森鴎外、夏目漱石、志賀直哉、芥川龍之介、川端康成、……
しかし、そんな「文豪」よりも遙かに「愛されていた作家」たちがいる!

菊池幽芳『己が罪』、『乳姉妹』 / 矢野龍渓『経国美談』、『浮城物語』 / 菊亭香水『惨風悲話 世路日記』 / 東海散士『佳人之奇遇』 / 村上浪六『当世五人男』 / 村井弦斎「道楽」シリーズ / 徳冨蘆花『不如帰』 / 桜井忠温『肉弾 旅順実戦記』 / 半井桃水『胡沙吹く風』 / 渡辺霞亭『渦巻』 / 柳川春葉『生さぬ仲』 / 木下尚江『良人の自白』 / 田口掬汀『伯爵夫人』 / 小杉天外『魔風恋風』 / 小栗風葉『青春』 / 島田清次郎『地上』 / 江馬修『受難者』、『山の民』 / 倉田百三『出家とその弟子』 / 奥野他見男『学士様なら娘をやろうか』 / 白井喬二『富士に立つ影』 / 直木三十五『南国太平記』 / 尾崎士郎『人生劇場』 / 小島政二郎『人妻椿』 / 島木健作『生活の探求』 / 豊田正子『綴方教室』 / 火野葦平「兵隊」三部作 / 小川正子『小島の春』 / 大迫倫子『娘時代』 / 岩田豊雄『海軍』 / 石坂洋次郎『青い山脈』 / 田村泰次郎『肉体の門』 / 富島健夫『おさな妻』 / 原田康子『挽歌』 / 源氏鶏太『三等重役』 / 柴田翔『されどわれらが日々――』 / 森村桂『天国にいちばん近い島』 
……など

彼らはどうやって人気作家となり、なぜ「忘れられて」しまったのか?
明治から昭和までの人気作家たちの悲哀に迫る、もう一つの文学史。

目次

序章  「売れた」作家と「歴史に残る」作家
第一章 「新聞」が生み出した人気作家
第二章 発表媒体による「値打ち」
第三章 「大衆文学」の流行
第四章 終戦後のベストセラー史
第五章 マンガ・テレビ界の大ヒット
終章  ベストセラーとは何か
あとがき
文学全集への作家掲載一覧
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

現在葬送のフリーレンのコスプレ中・寺「葬送のフリーレンて何や!」

62
明治~平成のベストセラー史。小説ばかりではなく、実用書や漫画、タレント本にも触れる。面白かった。菊田一夫を見直した。2018/04/13

harass

56
明治からのベストセラーとその作家たちについての本。いつもの著者らしいトリビア多め。時代ごとの事情や流行なども反映されるのかとも。大衆小説、名前ぐらいしかしらない映画原作本や主人公名だけが有名な作品など。著者自身の本の売れ行きにも言及があり、どんなに真面目に書いても売れる本というのは極まれなものらしい。個人的に驚いたのは、大江健三郎が婦人雑誌に掲載していた恋愛通俗のつもりで書いた小説というのがあるそうで(『夜よゆるやかに歩め』)、今度の全集で収録されるのを知った。軽い読み物として。2018/05/01

buchipanda3

29
かつてベストセラー作家になりながらも、今では忘れられてしまった方々を取り上げている明治以降の文学史。裏歴史のような感じが面白そうと思って手に取ってみた。細かいエピソードがたくさん盛り込まており、さらに忌憚のないコメントが楽しい。なぜ消えたのか、なぜ売れたのかという理由も興味深かったが、その背景となる小説媒体や出版社の歴史も面白かった。今でも馴染みのある雑誌はこんな始まりだったのかとか。ベストセラーになった作家も大半は忘れられてしまうもの。今人気の作家さんも数十年後には果たして・・、と思ってしまった。2018/05/27

六点

12
「一度ベストセラーを出したからといって、その後出す本も売れるとは限らない」と帯にあるが、売れたところで時間の激流に押し流されぬ本になるかどうかも、運次第の面があるなあと思ってしまった。呉座勇一先生の『応仁の乱』まで取り上げられているが、歴史小説のネタの払底が歴史書に向かっているのははたと手を打つものがあった。「小説よりも史実のほうが変で面白い」ですからねえ。2018/04/08

軍縮地球市民shinshin

11
世の中には生きている時には売れて、死んだ途端に忘れ去られる作家が多いのだなぁと再認識。ベストセラー作家というのは、その時代に受ける作品を量産できるので、時代が変化したら二度と読まれなくなるという傾向が強い。明治期の武田仰天子とか菊池幽芳、小杉天外、村上浪六なんてのは今や誰も読まない。幽芳も浪六も生前個人全集まで出ているのだが…。浪六の孫が社会党の浅沼委員長刺殺犯の山口二矢だったと知った。そういえば、少年なのになんで実名が拡散しているのだろう…?2018/05/11

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