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内容説明
◆止まらない日本市場の地盤沈下
2020年は日本にとって東京オリンピック開催など大きな転機となるが、アジアも同様だ。アジア各国が大規模な経済計画を打ち出す一方で、日本市場の存在感は日増しに弱体化している。ニューヨーク、ロンドンには大きく差がつけられていても腐ってもタイでアジアの中では君臨していると日本人の多くは思っているが状況はそれどころではない。外為市場ではシンガポール、香港、デリバティブズでは韓国、インドに、商品市場では中国と、アジア各国の後塵を拝するに至っている。本書は、日本人の多くがまだ実感できていない日本の金融力衰退という不都合な真実とアジア各国の急成長を明らかにするもの。そのような中で日本市場はどのように生き残るべきかを探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるわか
17
日本の外国為替市場やデリバティブ市場はシンガポールや香港に抜かれ、東京証券取引所の売買高も上海や深圳の証券取引所を下回り、国としては中国の半分以下。メガバンクも株式時価総額で40位以下。東京は市場としてすっかり没落した。没落を早めたのは他ならぬ異次元の金融政策だ。見捨てられる東京。アジア時代の幕開け。シティ、HSBCがリテールサービスしない日本市場の特殊性。東京から珠江デルタへ、世界最大都市圏の交代。2018/09/06
翔平
0
やや結論ありきな気な論旨もちらほら 2018年発行で、その後に香港の変質、コロナ、中国の強硬化、ロシアの自爆などが起きて状況はまた大きく変わってしまった。 にも関わらず、日本の相対的なポジションが上がった気はしないけど。 日銀には批判的。実際政策の失敗も数多く、一方で傲慢にいられる統治体制は問題でしょう2022/08/06
アーモンド毎朝20g
0
世界のトレンドを軽視した国内の経済規模に依存した金融戦略、過度な金融政策によって日本の金融が没落していく過程がわかった。金融立国になるには金融市場だけでなく、空港、教育、人材など社会の基盤を整える必要がある。金融立国になるには金融市場だけでなく、空港、教育、人材など社会の基盤を整備する重要性も理解した。日本はアジア諸国に経済規模を抜かれている。日本人は日本礼賛の姿勢を改め、事実を知り、どこに敗因があったのか分析し、悪化を防がなければならない。2019/08/18
トビケ
0
これを読んだ友人が吃驚していたことに吃驚する。書かれていることは単純な事実だが、まだ認識ギャップが残っている。肌感だと、タイムリミットは2050年だと思っていて、2050年になると人々は20世紀ではなくて21世紀に何をしたかで物事を判断するようになるだろう。その時、東京や日本の存在感は、酔っ払いの自尊心すら満足させない程度のものになっているだろう。2018/08/25