内容説明
さあ、寄ってらっしゃい。鄙びた寒村・戸蔭村でン十年ぶりに選挙があるよ。真面目一徹、村を愛する村議・深沢清春に対するは、実力者を推薦人にずらりと揃えたエリート助役。人は足りない金もない。ないない尽くしの清春が、家族を頼りに打って出た、一世一代の大勝負の行方や如何に!? 地方発、こんな候補でニッポンが変わる。笑いあり、涙ありの痛快選挙小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
43
★★★★金も名声も学歴も権力もなにもないが村会議員のオヤジが、すべてが揃っている地元の名士の助役相手に選挙を戦う物語。とはいえ、真剣に村のことを思って生きていれば見ている人は見ているんだと、悲壮感なくポップな文書で淀みがなく 楽しめ勇気づけられる。2016/05/13
速読おやじ
29
語り手が講談師という体でお話はスタートする。タイトル通り、田舎の村長選挙の話である。ずっと無投票が続いていた戸陰村に訪れた突然の選挙戦。実直な村会議員とエリート助役の一騎討ち。側近たちの戦いも田舎風の朴訥したというか、脇が甘すぎるというか、なんだかコメディである。選挙小説というものは時々あるが、ちょっとドロドロ感があるもの。このお話はストレート過ぎて、そのドロドロも丸見えなのだ(笑) 肩の力を思いっきり抜いて楽しめます。2021/07/08
太田青磁
18
わたくしは、今度の村長は深沢さんこそ相応しいと考えているのですよ・そら決まってるさー。平山さんでねいかさ・したらおめい、こういうこんだな。選挙になると困るがら、もう引っ込むと・戸陰村がどんなにいい村だか、村の一人一人に訴える・ふるさとに帰れば心が落ち着いてしまう・パワフルでありさえすれば、とりあえず何らかの仕事はできるだろう・知恵を使う。金かけねいで組織票を潰す・みんな自分の頭でしか、ものを考えるこたあできねいんだぜ・田舎だろうと都会だろうと、もう選挙に組織票なんてものはねいんさ・おう、みんな聞いてくれ!2014/02/13
桃水
12
2010/11/30:丁度選挙(県知事選ですが)があったので、改めて選挙について考えさせられながら楽しく読めました。2010/11/28
yamakujira
11
巨額の借金を残して村長が辞任した戸蔭村で村長選挙がはじまった。ずっと無投票だった過疎の村で行われる選挙で、田舎の人々の、長いものには巻かれろとばかりに有力者の顔色をうかがい、有力者の指示に従う組織票を当然と受容して、選挙事務所では飲食の供応を求める姿に唖然とする。現実には意欲満々に蟷螂の斧を振りかざしても、相手が自滅しないまま終わっちゃう選挙が多いんだろうな。政治意識の低い住民への風刺が効いた物語だけれど、とぼけた講談調の地の文のおかげで殺伐とすることなく和やかな雰囲気が楽しめる。 (★★★☆☆)2017/06/22
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