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内容説明
世界の面白い街の経済を地理と歴史で読み解く! 経済の現実から、日本の未来のヒントを探す旅。世界90カ国を踏破した「行動するエコノミスト」である著者がライフワークとする「世界ぶっつけ本番の旅行記」。行ってみて初めて分かる現実とは、テレビやネットに載らない世界経済の意外な姿だった。 ・低賃金のイメージが強いアイルランドは、実はイギリスの1.5倍も豊かである! ・カリーニングラードなど第二次大戦後からロシアが占拠する軍事拠点があるため、北方領土の返還交渉は望みなし?! ・軍隊を持たないパナマが独立を維持できる理由とはなにか? ・空気の薄いラパスでは、富裕層ほど空気の濃い低い土地に住む?! 土地の魅力あふれる「街」の成り立ち(歴史)と条件(地理)、そして日本との比較を通して、世界経済の今と未来を読み解く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
62
著者の行動力は半端ない!90カ国もの国に行って見て、ないものから特性を考え、歴史を紐解き地理を読み解く。「地理は歴史の微分、歴史は地理の積分」地理は未来に続く歴史の現時点での断面で、歴史はその時代の地理が積み重なりできている。著者の言う地政学とはシーパワー・ランドパワーなど形而上ではなく「ある地理的条件の場所ではどういう人間活動のパターンが繰り返される傾向にあるのか」を発見する学問。この本の白眉はコーサカス地方のアゼルバイジャン・ジョージア・アルメニアの3カ国。お互いの複雑な関係性と文化の違いを炙りだす。2019/06/03
TATA
45
新聞の書評記事を見て手に取った一冊。想定通りの面白さでした。景勝地や名物料理など目もくれず、ただひたすら地べたの地政学のネタ探しに世界中を奔走する筆者。歴史、地理、文化の深い洞察から独自の分析に至っている点には心底感心します。他国を見るというのはこういうことと得心。人と違った旅行に関心のある方は一読ください。きっと新たな指針が得られますよ。カリーニングラードとコーカサスの章が白眉。2018/10/10
すみれ
28
火焔タワーってどんなタワー?アゼルバイジャンどこだったかなあ、政治形態は?カスピ海って油性の水!?など、調べながらマイ世界地図に書き込みながらの読書だったので時間がかかった。衣食住を伴ってこそ、その地域がわかるという思いはそのままあるが、一日あるいは数時間の滞在での見え方捉え方も広いシャープな思索が感じられてとても面白かった。勿論著者の博学&バイタリティの賜物。他地域との類似も言及しながらの歴史と地理が相関しあった世界の見え方、少し視野が広がったような気がする。オリンピックの入場もより興味深く観れそう♬ 2019/08/08
たまご
23
さきにnextを読み,もどって.nextよりも日程が強硬じゃない. 酸素が薄くなるから,低いところにお金持ちが住んで,高いところは貧しい人が住む,というのはボリビアだったんだー.行ってみたい,けど高山病絶対なるな… 藻谷さんへのインタビューや,藻谷さん的地政学の考え方も書いてあって勉強になります.2020/09/26
はるわか
22
北方領土返還を望むすべての日本人は少なくとも「カリーニングラード(旧ケーニヒスベルク)とは何か」くらい勉強しておかなければならない。「東の果ての小さな島々を譲ることが西の端の重要な軍港の帰趨を巡る議論を惹起しかねない」というロシアの立場を知らなければ問題を進展させようはない。資源は買えばいいのであってそれよりも平和を前提とした貿易システムの中で勝者にならねばならない。今の日本には21世紀のこういう歴史的地政学的変化を理解できてない人があまりに多すぎ。気づく力があるかどうか。暗記の知識より構造を理解する力。2018/07/18