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内容説明
太閤秀吉の死去から、関ヶ原合戦にいたるまで、豊臣政権のなかでは何が起きていたのか? 凡庸な人物で、単なる被害者と評価されてきた毛利輝元をはじめ、上杉景勝・宇喜多秀家・島津義弘ら西軍に焦点を当てる。加藤清正・福島正則らの武功派と、石田三成ら吏僚派の対立という二項対立的観念から脱出。軍記などの二次的史料を排し、一次史料のみによる実証的な分析により、関ヶ原前夜の「権力闘争」の実像を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
15
文字通り、関ヶ原の戦いに西軍に所属した大名達の狙いや動機をまとめた1冊。ちゃんと事実を追いかけると、これまでの通説がどんどん変わっていくことを痛感する内容になっている。消極的どころかやる気マンマンだった毛利輝元、量なの複数権力軸でゴタゴタだった島津義弘、そして父から受け継いだ家臣団を組織化できなかった宇喜多秀家など、フタ開けてみたらみんな“中途半端な”戦国時代感覚だったことがわかる。もちろん、関ヶ原の戦いを東軍勝利ありきで語る必要はないのだけど、西軍の実態も見ておかなきゃいけないなあ。2019/02/07
ほうすう
9
関ケ原の戦いを西軍として戦った大名家、毛利・上杉・宇喜多・島津についてそれぞれ関が原に至るまでのそれぞれのお家事情や関が原合戦における動向を丹念に描いたもの。昨今関ケ原についていろいろ言われていますけどある程度まとまったものとして確実な論としては一つの到達点のような本だと思う。ただ論拠を示して丹念に読み解いてと細かくやっているので読み物としては決して読みやすくはない。印象的だったのは戦いに積極的だった毛利輝元と島津家の主導権を握ろうとして西軍に積極的な参加を見せた島津義弘の動向。意外な一面を見た。2025/11/20
MUNEKAZ
9
一次史料から西軍大名(毛利、上杉、宇喜多、島津)の開戦までの動きを追っており、読み応えのある一冊。個人的に興味深いのは毛利輝元についての章で、中国地方の太守にふさわしい野心と策略を持ちながらも、最後に自ら死地に飛び込まなかったことで家康にしてやられるという輝元の魅力(?)が再確認できるものであった。またさまざまな問題と野心を抱えた大名たちが、反家康という一点で野合したのが「西軍」であり、著者も指摘するように西軍勝利がそのまま豊臣政権維持には繋がらないだろうとも思わされた。2018/03/28
広瀬研究会
6
さまざまな通説で彩られる関ヶ原の戦い(に至る経緯)を、一次資料で検証したらどんな様相が浮かび上がるのか、とても興味深いです。毛利は西日本を統括しようと目論んでいたとか、上杉は越後・奥羽に覇を唱えようとしていたとか、何だか想像の羽が広がって楽しいけど、淀君と秀頼公が知ったら泣いちゃうだろうな。逆に島津は、豊臣奉行衆と一門・有力家臣に挟まれて苦労している感じが中間管理職的で、少し物悲しい。2018/12/31
A.Sakurai
4
関ヶ原で西軍として参加した大大名=毛利、上杉、宇喜田、島津について、内政事情を一次資料で説明し、関ヶ原にどう臨んだかを解説。毛利の事情は筆者の別作品で読んだ内容どうりだが、他の大名も同じような構造問題を抱えていた。国人領主連合から地域集権国への変換が進められることで内部分裂が起こる。党派ごとに時の政権にすり寄るが、ちょうど豊臣の力が落ちて徳川が伸長する時期なので家内の力関係が変動し、現場にいた主導者の都合でどちらにつくかが決まった。ただ、どの大名も近視眼的な領土奪取目的だったとする。ワンチャンあるかもと。2023/12/17
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