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内容説明
次期首相の座をめぐる裏工作から政界再編を賭けた秘密裏の交渉まで、歴史の転換点で行われたのが密談である。幣原喜郎とダグラス・マッカーサーによる憲法9条誕生の密談から安倍晋三が再登板を決意する密談まで、戦後政治とはまさに密談の歴史といえる。本書は、1945年8月の第2次世界大戦終結から、現在の第2期安倍政権が発足する2012年12月まで、67年間の政治史の中から計33の密談を取り上げている。大きく区分けすると、「政権奪取に関する密談」、「政権延命に関する密談」、「首相辞任をめぐる密談」、「政治構造の転換をめぐる密談」、「政策や法案成立に関する密談」、「その他の政治工作に関する密談」の6タイプ。政治を変える決定的な役割を果たした密談・密約を通して、知られざる戦後史をたどっていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
108
戦後の自民党発足以前から最近の安倍登場までをわかりやすく読みやすく書かれています。この分野が好きな人には楽しいものだと感じます。表面のマスコミには表れないはなしが面白く描かれています。このような本を読むとやはり政権に対してマスコミは一定の忖度をしているといえることがよくわかります。2018/08/19
trazom
4
1945年8月の大戦終結から、第2期安倍政権発足までの67年間の政治史の中から、計33の密談が取り上げられている。これだけの「密談」を編集できるのは、塩田さんの政治記者としての豊富な経験の賜物であろう。こうして読むと、政治とは、政策や理念ではなく、利害や力関係という「政局」で動いているのだと鬱々とした気分になる。また、「密談」と言いながら、こんなふうに第三者に広く知られるのは、誰かがベラベラと喋っているからであり、こういう本ができること自体が、政治家と呼ばれる人種の不誠実さ・口の軽さの象徴かもしれない。2018/08/29