内容説明
1960~80年代、ミュージシャンたちの若き日々。岡林信康、はっぴいえんど、オフコース、吉田拓郎、RCサクセション、山下達郎、ユーミンからさだまさしまで、事件と伝説のライブと名曲誕生の舞台を訪ねる。東京生まれのフォーク少年が体験してきた、極私的フォーク論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
32
年齢を重ねてくると、あの時が伝説になったりしていて、妙に不思議な気持ちになります。フォークソングの世界は、こどもだった私には突然登場したような印象があります。それは「バラが咲いた」ではなく「帰って来たヨッパライ」でした。そして、フォークという世界を決定づけたのが吉田拓郎です。ちょっと斜に構えた拓郎がとてもかっこよかった。フォークの世界は、自らの言葉で語ることを教えてくれたように思います。この著書は、あの時を思い出すと同時に、負け惜しみでなく、今よりももっともっと東京が魅力に溢れていたんだと感じます。2018/04/24
阿部義彦
24
フォークソングの大検証所謂メジャー(吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫)から草の根インディーズ(泉谷しげる、高田渡、RCサクセション)日本語のロックの開拓者(頭脳警察、はっぴいえんど)までその他ユーミン、さだまさし、森田童子、山崎ハコまでの人物像とそれらの音が奏でられた場所(既に現存していないものも有りますが)を巡る貴重な証言が様々な文献と著者の実体験(グランドファンクのコンサートを見たなんて!)を通して語られます。赤い鳥とオフコースの一騎打ちのライトミュージックコンテストなんて大迫力です!2018/05/17
mawaji
8
田舎の中学生でも高円寺や阿佐ヶ谷の存在は知っていました。「はっぴいえんどによってもたらされた『日本語ロック論争』はキャロルによって一蹴され、サザンオールスターズの登場により無意味なものになった」という一文は感慨深いものがあります。RCサクセッションの由来は「ある日作成しよう」ではなかったのか。パックの2部は睡魔に勝てずカセットに録音して聞いたものです。中学校の担任の原田先生が卒業文集にガリ版で寄せてくれた吉野弘「夕焼け」を高田渡が歌っていたとは。聖地巡礼したくなる一冊、とても興味深く読みました。続編希望。2018/05/20
犀門
4
No. 114★★★☆☆ずばりフォークソング世代だが、著者より少し後。なので、はっぴいえんどにまつわる話は興味深く読んだ。それと、ユーミンの『卒業写真』の背景を知れたのも収穫。2018/06/29
モモンガ
1
お、懐かしい!と書くと、トシがばれますが、日本のロック・フォークの黎明期を「ここでこんなことがあった」という切り口でうまく書かれています。2019/09/04