創元推理文庫<br> 生贄の木

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創元推理文庫
生贄の木

  • ISBN:9784488195182

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内容説明

森の中で、袋に入れられ木から吊るされていた三人の人間が発見された。イカれたパーティー・ガール、狂気に冒された配給所の聖女、そして小児性愛者。ひとりは助かり、ひとりは手遅れ、ひとりは瀕死の状態だった。同じ頃、小児性愛者に誘拐されていたと見られる女の子がマロリーに保護される。ココと名乗るその少女は妖精のような顔立ち、音楽的才能などからウィリアムズ症候群と診断された。ココの心を思いやるチャールズと対立しながらも、マロリーはココに犯人を思い出させようとする。マロリーと少女の奇妙な絆を描く、好評シリーズ。/解説=大矢博子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

136
私刑を科したい相手は誰にでもいる。瞬発的にであれ、消えない憤怒からであれ。マロリーはそれを自分の十戒にしたがってやり遂げる。自らが傷付いてもやろうとする。見守るライカーとチャールズ。今回はライカーに軍配。チャールズの愚か者め、少女をマロリーから庇護している気でいたか。思い知れ。マロリーの私刑完遂は、爽快感より感傷をもたらす。彼女は愛情表現が下手なだけなのを私たちは知っているから。勝利の結び目のことも、ホタルのことも、ジャズの譜面も。未来のチャールズが花をむしるシーンでマロリーの不在に胸が痛くなった。2018/07/27

紅はこべ

116
NYに君臨するセレブ女性から、身寄りを失った5歳の女児まで、女達の闘いの物語。勿論最強はマロリーなんだけど。フィービへの態度がマロリーにしては礼儀正しかったのは、彼女の倫理観、或いはその欠如の表れかも知れない。グレイスやウィリーには蔑みしかなかったが、フィービのしたことについては共感とまでは言えないにしても、弾劾する気はなかった。最弱に見えた少年が最後まで自分の見たものについての証言を枉げなかった。弱さの仮面を被った強さ。にしても、NYの警察や司法機関って本当にこんなに闇なの?2019/01/10

yumiha

40
マロリーシリーズ12冊め。お馴染みの登場人物が出てくると、旧友に再会したようななつかしさがこみ上げてくる中毒者になっちまった💦本書で一番心惹かれたのは、8歳のココ。妖精の顔立ちと優れた聴力を持つウィリアムズ症候群(全く知らない障碍だったのでググった)。ラストのココの「これが上っ面なの?」とチャールズに迫る箇所には、ウルウルさせられた。このところのマロリーシリーズは、読者の涙を誘う。もちろんブラックユーモアで笑わせてもらえる箇所も多数。「ボスとトラブったら先に撃つ」など貴重な(?)アドバイスも多数。2020/03/12

akio

33
いつの間にかマロリーの新作が!!すっかりこのシリーズとも長いお付き合いになりました。前作の衝撃のラストシーンから、何が起きたのか、何も起きなかったのか、マロリーはやっぱりマロリーです。でも確かに何かが違う…ように感じました。陰惨な事件とホタルの光。こんな対象的な象徴がヒロインの秘めた心のように感じるのは私の感傷かもしれません。チャールズと一緒に花占いしますかね。2018/09/12

しましまこ

28
ワイヤーカートに常にバット。ミセス・オルテガ、こんなにステキなご婦人とは!初っ端から嬉しくて転がりまくり。今回はセントラルパークの木に吊るされた3人、目撃者の少女と過去の事件と。最初は相変わらず容赦なしのマロリーにグフグフしながらゆっくり(勿体ないから)読んでたんだが、過去の事件の陰惨さにどんどん追い詰められて一気読み。今回も泣かされたよ。マロリーと少女とチャールズと。何でこんな文をポンともってくるかな、確信犯だよ、またヤラレたよ…もう続きが読みたくて堪らん!2018/03/22

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