内容説明
明治維新ひいては日本近代の精神を端的に表現している「五箇条の誓文」。そこに掲げられた「デモクラシー」「天皇制」「経済」「自由主義」「和魂洋才」は時を経るにつれ、どのような形で実現したのか。どのように歪められたのか。五箇条を切り口に、江戸から昭和、さらに平成にいたる日本史を明快に整理する。有名企業幹部が学ぶ白熱講義を新書化するシリーズ第3弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
24
2つのことがいわれています。①五箇条の誓文が明治から150年通貫する理想の価値観である。②大正デモクラシーは国家総動員体制の裏返しであり、戦後民主主義が現在上手くいかないのは大正デモクラシーと同じ弱点を持っているからである。②は、いっけん相反するような事象の逆転に驚きがあります。②の克服に①の見直しがあるという構成です。政治、経済、思想など問題が大きすぎて、散漫な印象で説得力に欠ける部分もありました。しかし、歴史を批評的に分析することはモノの見方を変えることであり、リベラルアーツとしては成功しています。2018/09/21
isao_key
6
タイトルの五箇条の誓文で、明治以降の近現代史を読み解こうとする試みだが、成功しているとは思えない。無理につじつまを合わせている。東条英機のブレーンだった中柴末純という陸軍軍人の書いた『「闘戦経」の研究』に言及し、平安時代から伝わる軍法書だというが後の偽書かもしれないとある。その中で「真鋭」という言葉の意味を「ただ戦いあるのみ。相手の数なんて問題でない」そのつもりで戦うと相手が気圧されてひるむこともある。それが日本の戦い方である。と、しているが『闘戦経』は大江匡房が書いたとされる、日本最古の兵書。2018/04/16
Kentaro
6
ダイジェスト版からの感想 徳川幕府からの「大政奉還」を受けた明治天皇が天地神明に誓ったのが「五箇条の誓文」である。シンプルで短い五つの条文からなるこの文書は、明治新政府の基本方針を示したものと解釈されている。 明治政府は尊皇をどう具現するか、という課題に直面します。その基本的なコンセプトが「王政復古」、つまり天皇 が頂点に立った一元的国家機構を創出して守り抜く、ということです。それが五箇条の誓文の意味であり、天皇中心の国家像を極めてゆくために、諸個人は和魂洋才を貫き、西洋に知識を求めて頑張ることであった。2018/03/13
amanon
5
五箇条の誓文なんてすっかり忘却の彼方だったけれど、本書を読んで、その重い歴史的意味に少なからず驚かされた。それにしても、本書日本近代史を振り返ってみて、その行き当たりばったりのアバウトさいい加減さに改めて呆れた。技術面や新しい文化を取り入れ自らのものにしていく柔軟性は優れているものの、こと政治的なことになるとどうしてこうもグダグダになってしまうのか?とりわけ印象的だったのが、比較的理性的な判断を下していた人が、あっさりとその見方を翻すこと。また、そのようにせざるを得なかった側面もあるのは、歴史の皮肉か。2018/05/23
ゆうき
4
おもしろかったのは大正デモクラシーによる民権の拡大は国家にも必要とされていたという解釈。 第一次世界大戦ではイギリス、フランス、アメリカなどの民主主義国が勝利し、ドイツ、ロシアなどの君主制の国家は敗北した。 ドイツ、ロシアでは革命が起こり戦争続行が不可能になった。第一次世界大戦は総力戦であり、国民への負担が非常に大きい。君主制の場合、君主のみに非難の矛先がむけられやすい。しかし、民主主義によって選んだ代表者によって始められた戦争であれば国民も納得でき、総力戦も長く戦うことができ、戦争に勝てる可能性が高まる2019/02/04
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