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内容説明
第二次大戦時、日本にいた敵国人(連合国の人びと)は、不自由な抑留生活を強いられました。敵国人といっても、日本人とのハーフやクォーターの人が多く、戦争がはじまる前は当たり前のように日本のなかで生活していました。日本に骨を埋めるつもりで残り、運命に翻弄された人びとに光をあてた作品です。3.11後、迷走する日本で、これから長い道のりをいく子どもたちに、生きる肯定感と希望を届けたいと考えます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
26
二月の子どもの本の読書会課題本。主人公の祖母の女学校の友人との交換日記からうかがい知れる第二次世界大戦中の日本。クォーターであるために日本かイギリスかどちらを祖国にするか選べと迫られるなんて酷な話だ。それまで同じように暮らしていた隣人が「敵国人抑留」と言う言葉で引き裂かれる時代だった。孫世代が思うより祖母の苦悩は深いのでは。この手の本は書いてある部分より書いていない部分が深く大きい気がする。東日本大震災の話はまだ生々しくて冷静に語れないけれど、それぞれに思いが違うなりにまだ受け止めやすい。わたしは。2016/02/19
百太
22
東日本大震災時から解り始める祖母の第二次世界大戦の幼少期の出来事。 戦争中日本在住の外国人とみなされた人達について書かれていた物語は読んだ事なかったです。良かったです。 2019/02/19
むぎじる
20
少女時代の祖母シズが、友のハンナとつづった交換日記。現在のシズのもとに届いたハンナからのクリスマスカードには、「許してあげてもいい」という謎の一言が書かれていた。仲良しだった2人がなぜ別れ、連絡を取り合うこともなかったのか?シズの孫である波菜子が、2人の関係を探る。外見と国籍は外国人でありながら、生まれも育ちも日本。心の中は日本人なのに、敵国人とみなされ隔離される。自分の存在も否定され、やりきれない思いを抱える人々。戦争が人から奪ったものの大きさを改めて感じた。2013/06/04
はるき
16
戦争と震災を軸に少女たちの心の機微を鮮やかに描く。大きなうねりの中で懸命に生きる彼女たちの若さに感嘆する。良書。2016/02/07
マツユキ
15
期間限定で祖母と暮らす事になった波菜子は、祖母宛に届いたクリスマスカードの一文が気になる。差出人は、イギリスに住むハンナ。波菜子は、祖母の荷物から、少女時代の祖母とハンナの写真と交換日記を見つける。そんな時、東日本大震災が起こり…。 戦争も、地震も、語られていない事の方が多いんですが、過去をどうやって受け取るか、未来にどうやって伝えていくのか。ここで終わるのか。心許ないですが、それぞれの日常の中、祖母を思う家族が爽やか。中学生活はなんだか楽しそう。家出良いな。2021/07/16