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内容説明
上司の「いじり」で線路に飛びこみそうになるほど苦しむ部下たち――。時として「いじり」は「いじめ」よりも残酷なハラスメントになる。なぜ職場で「いじり」は起きるのか。日本固有の「いじり」のつらさとは? 「いじり」のターゲットになりやすい人とは? 「いじり」に遭ったらどうする? 現代ビジネスをはじめ、ウェブで大反響を呼んだ連載、待望の書籍化です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
49
Web『現代ビジネス』の「コイツには何言ってもいい系女子」連載時より愛読。聞き取りにて構成。他書の引用多し。<日本人は、あまりにも我慢をしすぎていないか。色々な問題で泣き寝入りさせられている人たちがいる。もっと、嫌なことは嫌って言っていい。言えないならそこから逃げてもいい。言葉にすること、逃げるという行動を起こすことが、目の前の問題を変える力になる>。その通りだ。本書を書くきっかけともなった、高橋まつりさんの過労の末の自殺についての言及もある。彼女の悲劇を風化させてはいけない、と本書を読んで改めて思った。2019/12/10
hatayan
48
「いじり」はコミュニケーションの手段なのかいじめよりも陰湿なハラスメントなのか、判断する際に見過ごされがちな視点を提供する一冊。主に総合職として働く女性を想定した構成ですが、職場や学校のような同調性が高い環境では、被害者が「イジられる」キャラをあえて演じることによって自己肯定感を得ようとすること、男性は弱音を吐きにくく教育されているためにいじりが男性に与える影響は隠されがちとの指摘には刺さるものがありました。組織の風土をすぐに変えることが困難と認めつつも、違和感に声を上げることの大切さを説きます。2020/11/26
イトノコ
35
図書館本。日本の職場で公然と行われている「いじり」とは何か、その背景・影響・対策について解説。/「我ながらなんで借りたんだ…?」と思ったが、なかなか興味深い内容であった。「いじり」の「いじめ」との違いは、加害者に悪意がなく、むしろ仲間意識があること。そして被害者も自分から進んでいじられている場合があること。だがそれゆえに拒絶しづらく(拒絶すると「冗談なのにノリ悪いな」「空気読めよ」など)、徐々に被害者のメンタルを削っていく。こんな中高生みたいなノリを引きずる社会人が溢れているかと思うと絶望的だな…。2020/10/23
スノーマン
30
朝から起きて通勤して仕事するだけで疲れるのに、こういうことで更に疲れる環境にいるってね。この国、こんなんで一体どうなるんだろと不安になる。私が働いていた頃の自分の立ち位置を振り返ると、確かにこの『何言ってもいい系』になっていたんだろうなと。はっきり言ってそんなに空気を読むタイプではない私でも、その場に合わせて行動させる団体の力というか、『ここではこれが当たり前』と思わせる力って、本当恐ろしい。2019/08/22
白ねこ師匠
22
[★★★★☆/◎]表題にビビッときて思わず手に取った図書館本。アンケートによって得られたいじりの詳しい実例や、受け手の生々しい心情吐露が多数紹介されており、非常に勉強になった。自分にはこれらの事例を不適切だと思える程度の良識はあるとわかったが、小中以来比較的コミュ力高めで「いじる側」な事が多かった自分は、注意しないと危ないタイプだとも認識することができた。自分も20年前、会社の先輩からの嫌ないじりに不快な思いをさせられた経験があった。逃げなかったが、それを理由に逃げてもよかったんだね…2024/10/08