朝日新書<br> 世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本主義

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朝日新書
世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本主義

  • ISBN:9784022737526

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内容説明

資本主義とグローバリズムが民衆を収奪し、ポピュリズムと分断、憎悪が世界を暗雲のように覆う……。民主主義が機能不全を起こす中で、歴史的転換期に入った現代社会。不確実な未来を見通すための確たるビジョンを提示する。これが「世界の知性」の答えだ!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

58
民主主義制度の矛盾・乖離・劣化が全世界的なものであること、多数の民意を反映することがイコール個人の意見を反映させるものではないことなど、西側の学者の知見が多く得られた。高学歴が決して知性的な人間を生むとは限らないという意見に、ヨーロッパでも学問に問われる質が変わってきているんだ……と悲しくなった。2018/02/27

壱萬参仟縁

39
トッド:核家族こそが人類の最初の家族システム。自由民主主義理解に有意(11頁)。今、人々は平等ではないという潜在意識をともなった社会に移ってきてしまった(20頁)。トッド自身は平等だという潜在意識をもった社会を重視する(21頁)。民主主義とは、人々が自分で決め、エリートがその決定を尊重するとする制度のこと。BREXITは英国の人々に大変な困難をもたらすでしょう(36頁)。命を生み出すものは、無秩序、だらしなさ、ルーズさ(46頁)。ロザンヴァロン:今日、民主主義の中心にきているのは行政権力の選出(63頁)。2020/02/22

とよぽん

32
これからの世界は、グローバル化と市場原理によってどんな世界になっていくのだろうか。日本は島国で、移民の受け入れにものすごく慎重(?)だが、人口減少と高齢化が止まらないので、移民を計画的に受け入れていかなければならないのでは? 4人の学者の話は、それぞれとても示唆に富む内容だった。トッド氏の、歯に衣着せぬ言い方が気持ちよかった。2018/07/08

belalugosi6997

21
真正左翼のE・トッド氏のことが日本の左翼は安全保障に関して現実的平和主義のため嫌いらしい。トッド氏は日本こそが核武装するべきだと断言する。そして、少子化対策は仏国のシステムよりも仏国のお国柄を模範するべきとしている。V・シュトレーク氏が経済を語るが、聞き手が経済右翼である。アベノミクスが嫌いなため、聞き手が語り手を悪意に持った誘導する。ポピュリズム=悪という構図を作りたいのだろうが、支配者層の言う通りにしていたら中間層が消滅した。ポピュリズムによって行き過ぎた自由主義をほんの少しだけ遅らせただけである。2018/09/13

ミッキー・ダック

21
本書は、昨年と一昨年の朝日地球会議の論者4人による講演とインタビューの記録。◆国家がグローバル化に組み込まれ、一部エリートを除き多くの国民は豊かさから取り残された。そこから生じた排他的な国民国家・民主主義復活の動きを論じる。◆選挙が民主的であっても議会が機能せず政府は大資本べったり。選挙以外の仕組みを作り国民の声を政府に聞かせ、富の再配分を行うと同時に、グローバリズムに規律を求めることが必要といった論調だが、脱グローバル化は不可避のようだ。◆世界の動きとは逆にグローバル化一色の日本が心配になる。 2018/03/25

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