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内容説明
三鷹ストーカー殺人事件や小金井ストーカー殺人未遂事件など、凶悪事件がたびたび報道されるが、それらは氷山の一角にすぎない。カウンセラーとして、これまで500人以上のストーカー加害者と対峙してきた著者のもとには、毎日のように相談者が訪れる。SNSの普及により、素性の知らない相手からのストーキング被害が急増しており、リベンジポルノのような卑劣な行為も増える一方だという。「交際相手と別れるときに注意すべき点は」「ストーカーからの贈り物にはどう対応すべきか」「警察にはどのタイミングで行くべきか」「加害者は治療によって治るのか」などの疑問・質問にわかりやすく答え、被害者にも加害者にもならないための心構えを説く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
24
ストーカー問題のカウンセラーによる、その実態と対処法について。 意外だったのは、加害者からの相談もあるという話し。行為が是認されることはないが、元凶は被害者にある場合もあり、それで心を病むケースもある。 ストーカー事案は、SNSの普及もあって、裾野が広がっている。加害者もストーカー行為の呪縛から解放されるのには、精神科に入院して、退院後も数年から一生掛かる場合もあるとか。 被害者、加害者を問わず、悩んだ場合には、早くに第三者に相談して、具体的な対処をと言うが、ここが最初にして双方にとり要所とのこと。2018/03/29
Takanori Murai
22
小早川さんの著書を読んでいくうちにストーカーの行動パターンが見えるようになってきました。被害者を守るためにはこの特性を知った上で正しい対応をすることが肝要です。ストーカー殺人が連続した中、ストーカー規制法の改正があり、警察の対応も改善されてきたようですが、まだまだ問題は多く残っています。加害者へのカウンセリングや医療についてもっと充実させる必要があります。この本を被害者、その家族、不安を感じている人、守ってあげるべき対象が身近にいる人、加害者になる可能性を感じる人、そんな全ての人に読んで欲しい。2020/01/29
funuu
18
「ストーキングとは相手の自由領域である内面の防御壁までも乗り越え、思考や感情を操作しコントロールしようとする「越権行為」である。」「 平井医師は、男女間のストーキングは、生殖という本能行動を促進する反射連鎖が基盤にあると言います。つまり、交際を開始したい対象や交際を続けたい対象に連絡や追跡を反復するのは、対象に接近し生殖するという先天的な反射連鎖の一部が現れたもの、あるいは過去交際しついたときに成立した「接近する」という反射連鎖である説明しています」これも人類のもつ生殖本能と結びついている。私にもあります2018/09/08
kanki
16
治療。「言葉を、自分が責任をとる形に変えるのが第一歩。相手には自分を嫌う自由がある」2022/06/22
澤水月
16
妄執深く引きずる自分、何か転機にならぬかと加害者視点で読む。前巻より三鷹・小岩井など近年例取り上げられ、実践的治療も紹介。「対策のゴールは加害者を無害な存在にすること」。具体的治療は酒依存なら水のワンカップ、薬なら針なし注射器で訓練するがストーカーは「届かないメール」書かせる。空振り行動を最後までし「報酬受けず反射回路が反応示さなくなる」が初めは電源なしスマホに文が見え相手から着信の光も見える!ほぼ怪談…筆者が加害者女性の恨み(酷い性癖辱め耐えていたのに捨てられた)の辛さに強く共感する場面が印象的(コメ続2020/05/26